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2007.10.21

【芝居】「トワイライト王女」天然スパイラル

2007.10.20 19:00

三鷹の若手劇団シリーズNextの最後を飾る天然スパイラルはポップだけど骨太なファンタジーをしっかり。120分、21日まで三鷹市芸術劇場星のホール。

代々女王が支配してきた国の王女。19歳の誕生日に魔女の呪いをかけられてしまう。ため息に毒が含まれるその呪いを解くには、うっそうとした森の中に住んでいる四人のうち呪いをかけた魔女を見つける必要があるという。森に向かう王女と付き人たちは森に住む人々に見つかってしまう。

王制だの魔女だの森だのと、シェイクスピア風味ともいえる枠組み。そこに現代的な小さなギャグをはさみながらも、森の中で暮らす貧しいものたちの中でも健気に前向きに生きる女たち。アルコール依存やDV、介護なども織り交ぜて描くのです。一方で王女として生まれてきて国を背負うことへの決意を描くことで物語は俄然深みと骨太さをもちます。

空間を埋めることの難しいこの劇場に対して彼女たちが選んだのは正面突破でした。舞台の上方を大規模な吊り装置で埋めたり、舞台を何段かにすることで、空間のスカスカを全く感じさせなかったのです。細かくみればもちろん値段なりのセットですが、パルコ劇場にでもかかるんじゃないかと思わせるような、力強い仕上がりなのです。

いくつか挟まれるダンスシーンも、踊り手のバリエーションが細かく行き届いていて、しっかりと見せ続けます。若手をピックアップするこのシリーズのなかでは子どもでも年寄りでも「普通におもしろいもの」という間口の広さと同時に、ほろ苦さも、社会に対する厳しい視線もきちんと持ち合わせる作家の力を感じるのです。一方で、微妙にヤンキー臭い台詞の力とか、時事ネタなどを使いながら笑わせるテンションの強弱もしっかり。

もっとも、名作というのとはちょっと違います。茶化すというのとはちょっと違う、ええと、深い愛情ゆえに笑いにしてしまうというか。たとえば、エンディングの曲は恥ずかしいほど真っ直ぐに見せてるけど、ちゃんと作ることで恥ずかしさを笑いに転化させていると思うのです。芝居自体に酔うことなく、どこか醒めた視点をちゃんと持ってるから、それが単に恥ずかしいものにならなくて、アタシには楽しめるのです。

武藤心平は序盤の舞台を暖める気の弱い王を好演。主役の王女を演じた真白ふありは、上品さと心の強さを兼ね備えながら凛とした美しさ、何より圧倒的に通る声、元タカラジェンヌというのも頷けるのです。梨澤慧以子のあけすけな貴族と純真な子どものキャラクタ。千葉おもちゃ・金房実香・中塚未乃の男装の麗人も楽しい。

天然スパイラル「トワイライト王女〜孤独が中途半端で困る」
2007.10.18 - 10.21 三鷹市芸術文化センター 星のホール
作・演出 金房実加
出演 中塚未乃 小此木まゆみ 竹内あすか 平島茜 丹羽あおい 金房実加
千葉おもちゃ(マリッヂブルー) 甘城美典(劇団BLUES TAXI) 田山ゆき 梨澤慧以子 真白ふあり 武田佑子 浜本ゆたか(劇団ミルクホール) 高橋裕太(一回転半) 豊永伸一郎 武藤心平(7%竹)

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コメント

はじめまして。
ネットサーフィンして流れてきました。
天然スパイラルの竹内あすかです。
楽しんで頂けたみたいで嬉しいです!!!!
感想を載せて頂いてありがとうございます。
良かったら、天スパHPにも遊びに来て下さいね♪
これからも、頑張ります。


投稿: あすか | 2007.10.23 03:32

あすかさま、コメントありがとうございます。

楽しませていただいております。また拝見するの楽しみにしておりますー。

投稿: かわひ_ | 2007.10.26 23:31

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