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2007.10.07

【芝居】「もういちどスプーンを曲げよ」タカハ劇団

2007.10.7 14:00

旗揚げ三本目にして次回は学外進出のタカハ劇団の新作。90分。10日まで早稲田どらま館。

アパートで一人暮らししていた男が失踪して一ヶ月。不動産会社からの依頼で二十年も会っていなかった妹たちが引き払いに来ているが、それを制止しようと警官が来る。男が失踪した日に起きた事故に関係しているのではないかという密告受けて状況保全のためにきたのだが...

ネタバレかも。

スプーン曲げで有名だった超能力少年がインチキを暴かれバッシングを受けてから二十年後。マスコミと野次馬が押し掛ける光景をかつてのそれとだぶらせながら、バッシングしている対象すら不確かだという作家が感じたであろう嫌悪に近い違和感を物語のベースに置くのです。

超能力者や新興宗教といったオカルトを信じてなんかいないのに、その犯人だという荒唐無稽な説明はあっさり信じてしまう、という枠組みを設定して、ワイドショーの報道という得体の知れないバラエティーに踊ってしまう人々の姿を加減さをあぶり出すという思いつきは秀逸だなぁと思います。ただ、今作に関して云えば、少々食い足りない感じはいなめません。前半はコミカルな仕上がりもあってなかなか見せている感じ。後半になって急激に芝居は雄弁に主張を語りだします。最初に設定したハードルというかオカルトと事件の関連を矛盾なくつなぐために丁寧に語るのに手間取っていて、肝心のメッセージが相対的に少なくなってしまっているという感じがします。

いや、ちゃんとおもしろいんですが、前作の圧倒的な力ゆえの期待感の高さがハードルを上げているというところはあるとも思うのです。でも、ちゃんと物語を作る力、彼女たちに期待する気持ちは変わらないのです。初の学外となる次回も楽しみなのです。

タカハ劇団もう一度スプーンを曲げよ。
2007.10.5 - 10.8 早稲田どらま館
作・演出 高羽彩
出演 垣内勇輝(北京蝶々) 斎藤加奈子 高木健 棚橋建太(箱庭円舞曲) 花小路男D(劇団上田) 西尾友樹 松本寛子 吉成生子(おぼんろ) 高羽彩

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