【芝居】「独りにしないで」イマカラメガネ
2007.9.29 14:30
当日パンフによれば即興から立ち上げるのだという彼女たちの新作。30日までOFF OFFシアター。105分。
二人で住んでいる姉妹。妹は古着屋のバイトをきっかけに仕入れの中国語や英語を身につけ、商社への就職が決まっている。姉は結婚していて夫との関係がうまく行かない。妹のバイト先には姉の初恋の人が勤めており、店長は妹とつきあっていたりして...
夫とうまくいってない姉、将来の勝ち組が見えてきてて彼氏との差を予感させる感じの妹。微妙な三角関係やら浮気やらあれこれの愛憎どろどろな話はアタシの好物となる分野。しかし、あたしはどうにも気持ちが乗り切れません。それぞれの妹にしても姉にしても、シーンによって行動が一貫しない感じがしてのりきれません。
男はなぜ手のひらを返すのか、姉はなぜ独りにしたくないはずの妹を追い込むようなことをするのか、妹のあの電話は過失なのか意図なのか。愛情が絡んだときの判断がいかにめちゃくちゃかを描いているということも云えましょうが、それならば普段は一貫している人が間違える瞬間、をもっと強く描いて欲しいのです。観ている最中の感じでは、一貫しない人物たちゆえに、アタシは物語を見る場所というか視点を失います。
古着屋と散らかった部屋を、服を壁にかけたり床に撒いたりすることで行き来するアイディアはすばらしい。のですが、それを徹底するが故に場面を変える時間に手間取るのは勿体ない。古着屋の仕入れに中国語の電話が必要だというのが現実のことかどうかはわかりませんが、ありそうと感じさせる設定。格差を描いてる芝居は数あれど、就職する女子学生と、店長の男という現状では同じ標高に居ながら先を見ると差がつきそう、と感じさせる「地に足が着いた感じ」はきちんとしています。
イマカラメガネ「独りにしないで」
2007.9.27 - 9.30 OFF OFFシアター
作・演出 松田文
出演 村山真夏 植村てつみ 朝日はるか(Hal's Party) 加藤食 太田希望(マダムゴールドデュオ) 宮川克己 内ヶ島彩子
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