【芝居】「エンジェルアイズ」M.O.P.
2007.9.1 14:00
MOPが15年前に上演した西部劇の改訂再演。大嘘の設定を押し通す力業の役者たちの力に痺れる160分(休憩10分込み)。京都のあと5日まで紀伊國屋ホール。そのあと大阪。
OK牧場の決闘が行われた伝説の町、トゥームストーン。たった数年で寂れてしまい、町を出て行く人が絶えない。新聞社につとめる若者が都会の作家に手紙を送り、町の活気を取り戻す相談をする。町を訪れた作家は、ならず者たちと町の構想を「つくりだし」て、それを新聞に書くことで全米の注目を集めて町を活性化することを思いつく。なにもかもうまくいったかのように思えたが..
西部劇の有名人たちが次々と登場するという大きな嘘をベースに、豊富な生演奏やショー的なシーンをふんだんに取り入れて、華やかな舞台の仕上がり。そもそもがかなりむちゃくちゃな設定だったりもします。馬を馬頭だけの木馬にしているチャチさも説明なしで押し切って、馬が居ることにしてしまう力業。終幕で騎馬状態での合戦をみせるところも、押し切られて一瞬かっこいいのじゃないかと誤解してしまったりします。というか、結局この終盤シーンがやりたかっただけなのではないかとすら思います。
ならず者たちが闊歩する町を「最後の楽園」といい、単純な西部劇世界へのノスタルジーを強く感じさせる舞台。西部劇の登場人物たちへの愛もたしかにそう。物語は少々ご都合主義にすぎるところはあるし、「ここにノスタルジーがある」ということ以上の何も語ってないという気がしないでもありません。が、決して短くはない上演時間をあきずに見せ続けさせてしまうのはたいしたものだと思うのです。もっと泣かせるような芝居をM.O.P.には期待しているアタシには少々食い足りないところもあるのですが、結構な人数の魅力的な役者達を観るのは実に楽しいのです。
M.O.P.「エンジェルアイズ」
2007.8.25 京都府立文化芸術会館
2007.8.29 - 9.5 紀伊國屋ホール
2007.9.15 - 9.17 松下IMPホール
作・演出 マキノノゾミ
出演 キムラ緑子 三上市朗
林英世 酒井高陽 木下政治 奥田達士
勝平ともこ 白木三保 岡村宏懇 友久航 塩湯真弓 永滝元太郎 竹山あけ美 塩釜明子 神農直隆
岡森諦(扉座) 浅野雅博(文学座) 平良政幸 田尻茂一(アクションクラブ) 片岡正二郎 海部剛史 大原やまと 斎藤栄作 藤元英樹 本郷小次郎
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