【芝居】「逢状」Mad Bunny
2007.09.02 13:00
ストリッパー・楓ありす企画の演劇ユニット、Mad Bunnyの「脳内Pink」と題したシリーズ公演の最初。。100分。あたしの見た日曜昼は、終演後にコンパクトなストリップライブも。2日まで空間リバティ。
小さなパブ。ママは伸びない売り上げに頭を抱え、その妹はヒモで店員の男との仲がいまひとつ。夜の仕事が初めて、という20代後半の男が雇われてきて...
上の人物たちに加え別フロアのおかまパブのママ、という人物の構成。パブ自体にはほかにも女の子が在籍しているという設定なのですが、客もほかの女の子も全く出てこない話にはなっているものの、少々無理な感じで四人だけでやってる店、という印象は否めません。
姉妹と男二人、関係がねじれたり、二股をかけるというある種の「下世話な」世界を見せる前半。芝居としてみると、物語自体はどこかありがちな感じは否めないのも事実なのですが、後半にかけて新しく雇われた男は、「普通の人々」の視点を与えられていて、「夜で生きる人々」の一人である作家の立場と明確に対立する軸になります。いろんなものの区分を壊すのが昨今のありかたですが、そこに歴然と壁のある世界というのもあるということを、明確に貫いている感じがします。
普通に小劇場としてかなりしっかりした舞台装置を作っているのだけど、中央から客席の真ん中に向かっての張り出し舞台(しかも円形だ)があるのがストリップ小屋を模しているようでかなり独特。客入れの時点でも、その円形部分を客が歩かないように、という事に神経を使っているのが、その世界の何かを示している感じがして、興味深いのです。
「シンクロ少女」の同胞の二人の女優の競演。姉を演じた佐藤友美に芝居的な部分、特に男女のからみを直接的に見せる部分をほとんど負っています。妹を演じた楓ありすはその詩的な言葉を画面で綴るのと会わせ、「脳内の妄想」を見せている感じ。ストリップを見たことはないのだけど、男のいない舞台の上で女の身体を見せる以上の何かを示すための演出の手法なのだと思うのですが、自慰のような姿勢を見せるやり方がいくつもあって、独特な演出のありかたを感じます。
日曜昼に設定されたのは終演後の、ストリップライブ。もちろん専門の小屋ではありませんから、ある程度のソフトさなのだけど、舞台度胸というか目線の強さは芝居のそれよりも、踊りの方が強く感じます。自分のフィールドであることの強い自信を感じる20分。
Mad Bunny 脳内pink公演 vol.1「逢状」
2007. 8.31 - 9.2
作・演出 楓ありす
出演 三浦佑介 佐藤友美 中島康善 武子太郎 楓ありす
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