【芝居】「ルーファス奪還」JAN BAL JAN JANパイレート(JBJJP)
2007.9.16 17:30
JBJJPの新作。あふれるイメージが結実するのは、スプートニク2号に乗せられたライカ犬の話。公演は終了。80分、アサヒアートスクエア。
スプートニク計画(wikipedia)を知ってはいても、ライカ犬・クドリャフカを廻る話については、アタシは不勉強にして知りませんでした(wikipedia) が、比較的有名な話のようです。孤独に地球を周回し消滅した「彼女」の物語を最後の10分に置き、そこからインスパイアされたりイメージされるさまざまをダンスやコント風に点描していくという流れ。こういう題材を拾って公演に仕上げてしまうセンスがすきなのです。
自転車に二人乗りした二人の帽子の会話から、投げた物体の初速で衛星となったり軌道脱出したりという単語に繋がったり、宇宙人に会ったり狭いところに閉じこめられた時の心得だったり、大きさや遠さをイメージさせてみたり、回転扉で回り続ける男達の会話など、繋がりのわからないさまざまが、衛星をめぐる話に収束する、というのはエキサイティングなのです。
JBJJPの特色でもある特に笑いを司る清水エリナのぼやき漫才風の部分は、今作においては少な目。声が通りにくいという問題も根本的には解決していませんが、映像や音響を多めに使って、結果的にはあまり問題にはならない気がします。それでも、作家である清水エリナが疑問に感じつっこみ、感じた事を舞台にのせているという印象の彼女たち。今作においてもその印象はあまり変わりません。ライカ犬の話は笑いではないもののやはり感じたイメージを具現した感じ。中央にあるテニスの審判席にパイプまみれになって座らせられた彼女、という「画」は物語の背景を感じると更に印象的。しかし、きな子、グルミット、ダーシェンカ、101匹、ニッパー、と名付けられたのが全部犬、ってのはちゃんと気づきませんでした。コレジャナイロボはいったい何人わかるんだろう。イメージが多岐に飛び回っていて、意味が掴めないことも多いのだけど、さて、ルーファス、ってのはどういう繋がりなのだろう。(9/18追記-チャーチルの飼い犬(ほんとの犬)だ、そうです。情報感謝)
JAM BAL JAN JANパイレート「ルーファス奪還」
2007.9.15 - 9.16 アサヒ・アートスクエア
作・演出 清水エリナ
出演 metan 櫻井冬子 川口美紀 春木香織 池田ふみ 清水エリナ 真由美 えみりー まりりん 瀧田佳純 鈴木晶子 飯島あすか
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