【芝居】「[get] an apple on westside / R時のはなし」小指値
2007.9.17 13:00
小指値の横浜シリーズは再演と新作の組み合わせ。身体表現を殊更には強調しないものの、90分飽きません。STスポットでの公演は終了、22日に一回だけBankART Yokohama。
馬車から転げ落ちた子犬が狼に育てられる話「[get] an apple on westside 」 夏休み、学童保育に毎日来る子供と、学童のお兄さんと、ビデオカメラに凝っている女性教諭の話「R時のはなし(りゅーじのはなし)」。
一本目の「〜westside」はごく短い話。彼らにとっては初めての再演なのだといいます。少し前まで多用していた語り部を置くスタイル。身体の表現だけで断崖絶壁から馬車やカマドまで描く手法。真ん中にはちゃんと子犬が居て、という光景が見えるのです。まるで絵本のようなかわいらしい話でもあって、ことさらな刺激などないけれど、ちゃんと30分間見せ続けるし、そう簡単には真似できない彼らの持ち味もちゃんとあって。
二本目の新作「R時〜 」は、先日の15minutesでのほぼ一人芝居をベースに約3人に拡張した話。見た目の面白さのあるカレー鍋もビンゴゲームも健在。物語の上では女性教諭の存在が全く新しく、演出上では映像や小道具の多用が新しい感じ。身体表現と情景こそが彼らの真骨頂だと思っているあたしには、少しばかり肩すかしな感じがしないでもないのですが、が劇場の狭さを生かした一つのレパートリーとしてみれば、こんなこともできる、という新鮮な驚きなのです。
メインとなる三人は、子供も含めみな寂しさをもっていて、これも都市部の一面。あたしは、今回加えられた、ビデオカメラで撮影することで存在を確認する女性というありかたが印象的。先日の終幕近くの電話のくだりも好きな空気感ですが、映像なのがアタシ的には残念。もっとも、この部分を芝居にしても、魅力が圧倒的にあがる感じではない気もするので、これが正解なのかもしれません。 学童保育のお兄さんを演じた山崎皓司は、相変わらずの身体の動きのすごさ、テンションが実に魅力的。
初日にはおまけ企画があったのですが、それが凄かったという口コミも聞きます。それを見逃してしまったのは悔しくてなりませんが、まあ、自業自得。場所を変えた来週も観ちゃおうかなぁ、どうしようかなぁ、んー。
小指値「[get]an apple on westside / R時のはなし」
2007.9.15 - 9.17 STスポット
2007.9.22 BankART Studio NYK
作 北川陽子 演出 野上絹代(get]anappleonwestside) / 篠田千明(R時のはなし)
出演 篠田千明 大道寺梨乃 高橋紗也佳 竹田靖 中林舞 野上絹代 山崎皓司
小沢な哲人(oOLOm)
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