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2007.09.16

【芝居】「博愛」劇26.25団

2007.9.15 19:00

劇場が選んでいる王子に導かれての初見。荒削りですがおもしろい瞬間がいくつか。105分、17日まで王子小劇場。

青山で営業しててテレビでも紹介されたエステサロンが宿泊専門に衣替え。離島で営業を始めている。社長の弟も同居しているが彼は学校は好きではなくてあまり出かけない。同級生の女子が訪ねてきたり、女性の教師や夏休みの特別講演で呼ばれた夜回り的先生、エステにくる女性二人の客、他のホテルに泊まっていた女性が迷い込んできたり。

愛を語るいくつかの切り口。「貧しい者を救う」のだといい、十字を切りながらエステ施術を行うサロンは、世間からは宗教的だったり性愛的だったりと云われていて。島には別の信心があり、あきらかにコミュニティからは孤立した存在。生徒達はその大人の都合に振り回されつつも、惹かれる気持ちにも逆らえないのです。性愛的なところに落とし込むかとおもえばさにあらず、そこはついに最後まで明示的には示されません。

ネタバレかも

アタシが好きなのは、「渋谷系だと言い張る女子大生二人組」の造形。あきらかに行けていない感じで挙動不審さが面白い。あるいは香港系と云う男は芝居全体の緩急のリズムをつくっている感じがします。

エステサロンの職員や関係者たちの独特の喋り口には物語から要請される理由がありますが、反面、芝居を観る側からすると耳に障ったり、肝心の言葉が聞き取りづらいという両刃の危うさがあって、ぎりぎりな感じがします。

具体例がさっとは出てこないのだけど、「女が男を弱い者として守り戦う」という切り口の芝居やドラマが増えてると感じるアタシです。今作はその流れの端的なもので、「男が自立する瞬間の話」と読んだのですが、どうなんだろう。

劇26.25団「博愛」
2007.9.12 - 9.17 王子小劇場
作・演出 杉田鮎味
出演 赤荻純瞬 長尾長幸 杉元秀透
高橋美保(タンク) 山本真沙代(ピリドキシン) 小嶋ユーリ 須藤真澄 森口美樹(ロスリスバーガー) 芳野ナマエ 林佳代 利斗流t.k.o (Oi-SCALE) 中川幸子(五反田団)

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