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2007.08.27

【芝居】「なだれる」競泳水着

2007.8.26 14:30

早稲田の劇団の学外での初公演。トレンディードラマ風の物語をひたすら押しているのにちゃんとおもしろい85分。28日まで王子小劇場。

高校の臨時教員だった男が、研究のために一学期だけで渡米してしまう。教え子の一人の女生徒と惹かれあっていたが、男は別れを告げて渡米してしまう。予定よりも1年延び、3年後に帰国した男は、上京し妹と二人暮らししている女に電話をかける。

待ち続けていた女、待たせ続けていた男のラブストーリーというかトレンディドラマ風の仕上がり。そのドラマ風の物語をひたすら押し進める感じで、あっと驚く展開だのということはほとんどありません。が、まさにかつてのトレンディドラマがそうであったように、美男美女ばかりでわりと都合よく運ぶ物語を、わずか80分に凝縮しています。結果、濃密な迫力を持ち、実に巧みで丁寧に構成された仕上がりになっています。たぶん作演の興味は、ドラマにおけるいくつかのシーン、たとえば女の心が揺れる瞬間というようなほんのひと部分にあるのだと思います。その部分をクローズアップして、他を丁寧にそぎ落としている感じの濃縮というのでしょうか。

その意味で、そぎ落としかたの巧さは、舞台上手のホテルのシーンや、結婚式、放送局あたりのシーンにあるような気がします。この場所でのシーンはどこか過剰にコミカルに作っているところもあるのだけど、感情吐露のような多くの「クサミ」をここに集中することで、リズムを失わないままに必要な情報や感情観客に伝えることに成功しているような気がします。複数の舞台で複数の時間を行き来する見せ方も、今作においては丁寧で、観客が視点を見失うことはなくてわかりやすくなっています。これら含めて、物語そのものよりも、構成の緻密さで見せ続けられてしまう、という感じはあります。

どこから見つけてくるのだ、というぐらいに美男美女そろいの役者たちもたいしたもので、さらにそれがちゃんと芝居をしてしまうのも観客をいい意味で裏切ります。男にとってはどこかあこがれというか夢みたいな話のところもあるし、女性主体視点が多い最近のドラマに比べると少し古い感じがしないことはありません。が、それも含めて、恋のゆくえにはらはらしてしまうのです。予想通りなのに。

姉妹の姉を演じた川村沙也は恋に関しては寡黙がちで待つ女風、しかもかわいらしいというキャラクタで目を引きます。妹はまだ子供なところはあっても、恋に関してはむしろもっと大人で冷静な視点で自立してるという立場のねじれ具合もおもしろい。女教師を演じた細野今日子は、いったい見た目の可愛らしさが強すぎて何歳の設定なのだろうという疑問は感じないことはないのだけど、コミカルさも含めて、安定しています。

劇団競泳水着「なだれる」
2007.8.22 - 8.28 王子小劇場
作・演出 上野友之
出演 川村紗也 永山智啓(elePHANTMoon)
梅舟惟永(早稲田大学演劇倶楽部) 古川侑 林清香(オムニバス) 大川翔子 奈木れい 上野友之  細野今日子(カカフカカ企画)

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