【芝居】「魔人現る」鹿殺しオルタナティブ
2007.8.4 19:30
路上ライブと劇場公演の二本立てで名前の売れた鹿殺しの番外的公演の「オルタナティブ」。役者オレノグラフティの初脚本と丸尾丸一郎演出。7日まで、こまばアゴラ劇場。100分。
終電で職場から帰る女と男。女はずいぶん年上の男と結婚間近、会いたくて想いつづけながら。そんな電車の中で前にファンだった、かつてのインディーズスターに再会する。見かけた黒い服の女、彼女と永遠に「遊び続け」なければならないという都市伝説の女の乗った電車はやがて時間を超えた、昔の場所に停車しながら走り続ける。
舞台はほぼ黒一色。一段だけの少し高めの段を舞台中央に横切らせ、その段の部分にタッパ一杯の鎖が幕のように縦縞につり下がっています。その先に円い輪っか。これが全て。ほぼ電車の中や外の風景をさまざまに描くこの芝居にはシンプルで実に効果的な装置です。鎖の上げ下げの時の音も歌舞伎の花道の先のところにある幕の音に似て心地いいのです。
物語は深すぎる想いゆえの悲劇というかあまりに哀しい話。物語の枠組みが見えてくるまですこし時間がかかりますが、後半では時間を感じさせないテンションで見続けさせてしまう力があります。
たった5人の役者。それぞれがしっかりとしていて安心できるし、ロックな大音量も楽しめます。山本聡司を核に。びっくりするぐらいさまざまな変化をします。最初同じ人だとわかってなくて首かしげてたアタシです。(^^;)。丸尾丸一郎やオレノグラフティは笑いも含めて舞台のベース。高山奈央子は物語のなかでは異質な位置づけで迫力があります。カラダの使い方もずいぶんと他の役とは違っているしKAKUTAでの彼女とも違います。奥田ワレタは対比して可愛らしい位置づけは目を奪われます。オルタナティブは劇団にとって「型にはまらない」位置づけなのだけど、客演の二人にとっても、今まで見ている姿とは違う面が見られて楽しいのです。
鹿殺しオルタナティブス Vol.2「魔神現る」
2007.8.3 - 8.7 こまばアゴラ劇場
作 オレノグラフィティ 演出 丸尾丸一郎
出演 山本聡司 奥田ワレタ(クロムモリブデン) 高山奈央子(KAKUTA) オレノグラフィティ 丸尾丸一郎
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