【芝居】「5時には家に帰ろう」トリのマーク
2007.8.19 14:00
場所から発想して物語を紡ぐ、トリのマークの新作。下北沢のザ・スズナリという劇場そのものを題材にした物語を90分。公演は終了。「SHMOKITA VOICE」関連公演のようですがSHIMOKITA VOICE側の公式ページには一言もないのは、残念。
貸し部屋を見に来た人と、説明している人や貸し主たちのはなし、と理解しました。
物語のわかりやすさ、という点では決して優しくはない彼らですが、今作に関して云えば実際のところ、トリのマークとしてもかなりわかりにくい印象があります。結構彼らを見続けていると勝手に自負してるアタシの印象も、この方の印象に近いです。雑然とした場所の人々の話を点描していく感じで、人物達がなかなか繋がらず、個別に存在しているだけという感じがしてしまいます。
普段ならば、この役者ならこういう位置づけのひと、という役割分担みたいなものがあったり、人数もこれほど多くありません。ギャグやキャラクタを頼りして見ることも多いアタシです。今作は初登場の役者も多いのと、それぞれが無対象的な一人芝居のようなところが多く、スズナリや下北沢という場所から発想して作り上げた芝居だということを知っていても、作ろうとしている世界がなかなか見えてこない歯がゆさがあります。
土地をもっていかれる、というあたりで、これからの下北沢の姿を語ろうとしているのかと思いましたが、終演後に配られる冊子にスズナリという場所の過去の姿をコラージュしているということがわかります。
山中、柳澤という二枚看板の掛け合いは少な目。ロボットのようなものを演じる柳澤明子はあるいみ盤石のキャラクタ。原田優理子の笑わせる役は珍しい感じ。藤田早織の演じる「ふみこ」のキャラクタはちょっと気になる。シマリスを飼う少年を演じた大畑麻衣子が冊子にある働く少年か。金沢涼恵の演じる引っ越しすると、「みどり」(火を吐いたりするらしい)の物語はかなり異質ですが、今回に関していえば芝居のリズムを作り出したり、見ていておもしろいシーンをつくるという意味で貴重で、楽しんで拝見しました。
役者がこの感じに慣れていけば、もっと安心して見られる感じはしますので、これからなのかなあと想ったりもします。
トリのマーク(ザ・スズナリ SHIMOKITA VOICE関連公演)「5時には家に帰ろう」
2007.8.18 - 8.19 ザ・スズナリ
作・演出 山中正哉
出演 柳澤明子 原田優理子 渋谷橙 江原大介 大畑麻衣子 藤田早織 丸二明紀子 金沢涼恵(クロムモリデン) 山中正哉
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