【芝居】「THE BEE」(ロンドン版) NODA MAP番外
2007.7.21 16:00
日本版のオリジナルとして、約一年前に上演されたロンドン版。29日までシアタートラム、70分。
ストーリーは日本版とほぼ同様に、妻と子どもを人質に取りたてこもった犯人の妻の家に、たてこもるという話。
舞台両脇に縦書きで字幕。日本版を先に見たおかげで、字幕をチラ見するだけである程度筋が追えるのはいいところ。英語がわかればなぁ、と自分の力不足がくやしかったりもしますが、それはまあ、仕方のないことで。どうしても字幕を読む瞬間は視線が役者から外れてしまいますからね。
シンプルな紙一枚で構成されていた日本版に比べると、赤い床と舞台奥のマジックミラーのような壁で構成され、もっとメタリックな質感の舞台。マジックミラーを半反射のような照明で使うことで、舞台で起きていることが、向こう側(=小古呂)でも起きているということを想像させ、井戸と小古呂の妻の不思議なルーティンの日々の時には合わせ鏡の像が繰り返し見えるようにして「同じことが繰り返されること」を効果的に見せています。シンプルに見えて高い技術に支えられている美しい装置です。
井戸と小古呂の妻の男女を入れ替えることで、レイプされるあたりがより戯画的になって生々しさは減っています。あたしとしては、日本版の組み合わせでは「生々しすぎる」感があったのですが、ロンドン版の方がちょうどいいバランスという気がします。
NODA MAP番外公演「THE BEE (ロンドンバージョン)」
2007.7.12 - 7.29 シアタートラム
作・演出 野田秀樹
出演 Kathryn Hunter Tony Bell Glyn Prichard 野田秀樹
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