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2007.07.16

【芝居】「サロン」フライングステージ

2007.7.15 18:00

原作(amazon, サロン)はありますが、全ての要素を盛り込みつつ大胆に再構成。150分は少々長いですが、レビューもあるので。17日まで、シアターグリーンBigTree。

北関東の温泉町で生まれた女の子。学校にいけなくなって、父親がいなくなった旅館を切り盛りしている母親にもジジイがついて。こんな町、出たい、パリが私の居場所だ、と思っていたけど。
寝過ごした電車、気づいたら東京。イトコの家に行く。同居している男に出迎えられる。そこには居られず、彼氏と別れたばかりのドラッグクイーンの家に行く。セクシャルマイノリティたちの集うそこは「サロン」だった。

多分初見の劇団。知識としてゲイたちのステージだとは知っていても、劇場の入り口横にパレードのパンフや、カミングアウトした候補者のチラシを渡されたりすると、少しだけ身構えるアタシです。

女子高生の成長する話が中心になる前半、ゲイのカップルの話が中心になるのは後半になっていて、じつはかなり様相が異なります。終演後に買った原作では連載が中断したりしていて、前半と後半で着目点が変わっていたりと作家の想いあぐねている感じがわかります。芝居にするにあたって、潤色をしていて、たぶん大胆に構成を変えたり、補足する物語を足したり。拘る部分が演出にあるというのは重要なことだと思います。

たとえば、女子高生が言う「普通ですから」に対して鋭い言葉を投げかけて、この芝居のベース、観客の視座を据えます。あるいは原作にない父親やノーマというドラッグクイーン、ヘテロのカップルの結婚式を書き足したりしているのです。結果、レビューで数曲歌うのもあって時間は長めになっています。

ライブがあるのは賛否があるかもしれませんが、アタシは楽しみました。客演の菜月チョビは15歳と25歳というかなり無茶な年齢の振れ幅を演じますが、アタシがすきなのは初めて飲んだアルコールで暴れるように歌いきるシーン。全体に身長高めの役者の中で小さなからだで飛び回りピンボールのようにはね回る様子は、持って行きようのない気持ちを見せてくれるようで印象的です。

作・演出に加えてノーマを演じる関根信一は圧倒的に存在感があって印象に残ります。

シアターグリーンの大劇場にはそんなに通っているわけではありませんが、エレベータを使わない客入れ動線を体験したのは初めてかもしれません。階段が大丈夫な客は階段で案内された方がむしろスムーズに入れると思いますので、むしろまったく正しい判断だと思います。

フライングステージ「サロン」
2007.7.12 - 7.17 シアターグリーン BIG TREE THEATER
原作 桜沢エリカ  脚本・演出 関根信一
出演 菜月チョビ 関根信一 數間優一 今井克己 石関 準 野口聖員 早瀬知之 森澤友一朗 鈴木 彩 坂本 遼 安井実生 しいたけを ますだいっこう 西田夏奈子 阪口拓也 羽田 真 大門伍朗

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