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2007.07.31

【イベント】「夜の向島・あかりと音の散歩」アート&カフェこぐま

2007.7.29 18:00

トリのマークが拠点としている「こぐま」が主催するアートイベント、「こぐまの特別な一日」と題して。墨田区の東向島駅から向島百花園までをそぞろ歩きながら、街のあちこちに触れ、百花園で開催中の「音とあかりの夕べ」展でロウソクというか行燈というか明かりやら水琴窟やら朝顔やらを冷やかしつつ、カフェまでの散歩イベント。

昼は大雨、カフェに到着したら雷雨というかなり危ない感じではありますが、なんとか降られずに、最後のビールを美味しくいただくこともできて。

エンタテインメントというよりは、街のあれこれを探訪するガイドツアー的なつくり。ポタライブに形式は似ていますが、ポタライブのように物語を見せるということはせずに、数人のガイドが代わる代わる説明してくれるっていう感じ。正直なはなし、この規模の小さな路地を歩くということになると、10名ほどのメンバーでも相当な威圧感があって、説明やら歩く時の誘導は相当気を遣わないといけない気がします。 もっとも、メンバーが必ずしも顔見知りではないシャイさ加減もあって、まあ、静かな団体だったわけですが。 いざとなればナビウォークがあると思って一人歩きする気楽さも捨てがたいけれど、それでは気づかないようなことにも触れられる楽しさはあります。今はない地名の玉ノ井・鳩の街という赤線地域の歴史をひもときながら、入り組んだ路地、モルタルやタイル張りに名残を感じつつのツアーは、新聞にもぼちぼち載るようになってきた「こぐま」のアートの拠点としての確かな存在感を見せているのです。

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2007.07.30

【芝居】「カレッジ・オブ・ザ・ウインド」キャラメルボックス

2007.7.29 14:00

キャラメルボックスの代表的な一作の三演目。115分。8月5日までサンシャイン劇場、そのあと大阪。

外科の入院病棟に入ってきた「ほしみ」。交通事故で一人入院してきたが、彼女にはそこに居ない家族が見える。一方東京の叔父は警察に追われているが、ある夜、姿を見せる。

初演こそ見ていませんが再演はみています。印象的でよく作られた物語だという記憶はあるのですが、 そのわりには半分ぐらいしか覚えてなかったのです。とはいえ、安心して見られるように丁寧にわかりやすく作られていて、(記憶が曖昧でも)人物たちの属性を予期させるようなヒントというかわかりやすさ。まあそれでもダー泣きしてしまうアタシです。

名作と呼ばれるこの作品なのですが、主役のほしみは、役者に相当な緊張を強いる役という印象で、それとは関係がないとは思うものの、同じ主演では再演されたことがありません。客演というよりはほぼ初舞台(ですよね、自信ないけど)という高部あいという女優は、家族を想う一途さを見せています。

語尾の「す」(〜です、など)が強調される発声はキャラメルボックス以外ではあまり見られないここの役者の特性で、高部あいも忠実です。この規模の劇場で声を届ける事を技術として成立させるのはここにしかないノウハウなのですが、彼女に限らず若手に行き渡ったこの発声がアタシにとっては違和感をぬぐい去れないのです。

家族達の背景が見える序盤の展開が早い感じの反面、後半に時間を配分している気がします。再演時の時はあまり印象に残らなかった叔父・叔母の二人の物語気持ちに残ります。男の嫉妬がみっともない、という言葉は最近の男たちの気分に合っている気がします(もともとあった言葉なのかは知りませんが)。なんて御託を並べても、幾重にも泣きトラップを仕掛けられている話は、思い通りの所にピースがはまっていく(いえ、物語を知っているからではなくて)感じで、話はアタシの泣きツボを絶妙に刺激します。畑中智行が爽やかな好青年という感じなのは意外(失礼)ですが、印象に残ります。岡内美喜子は不安なく。岡田さつきにこの老け役ってのもどうかと思いますがなかなか味があるのも事実で。

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2007.07.29

【芝居】「ひーはー」Piper

2007.7.28 18:00

バカなのに緻密な爆笑編。Piperの10周年は気楽に楽しめます。8月12日まで本多劇場。そのあと仙台、愛知、福岡、広島、大阪。120分。

日本の田舎、潰れたステーキレストランに住んでいる一家。訪ねてくる筈の人のために慌ただしく開店準備することにした一家のところに、次々と現れる人々。西部劇マニアの二人、泥まみれの男女、任務を帯びた軍人..

いわゆる大王節全開、泣かせる感じは微塵もなく、最初から飛ばしまくる感じで笑わせていきます。日本なのに西部劇風の場所、結局ほぼ全員が西部劇風のコスチュームになったりと、フェイク感満載な感じが実に楽しい。一方、集まる人々の属性の無茶さ加減や、顔を合わせる組み合わせがかなり限定的なまま終盤まで続くなど ご都合主義てんこもりな感じがしないでもないのだけど、それをリアルに変えるんじゃなくて、ともかくハチャメチャ度合いを増していく方向のクオリティの出し方で、これはこれでアリだと思うのです。なんせ、そんなことはどうでもいいぐらいにおなかいっぱいにしてくれるわけで、実に密度の濃い2時間。

ギタリストの存在を核にすることで、勘違いが幾重にも。名前思いついた時点で勝ったも同然だよなぁ。

前回も感じたことですが、配役を有料のパンフだけってあたりがケチ臭い感じではあります。アタシはもちろんこの役者たちはよくわかっているのだけどパンフ買ってしまいましけど。

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【芝居】「イチゴ畑で靴紐を結ぶ」あなピグモ捕獲団

2007.7.28 14:00

あなピグモ、アタシは初見です。95分、29日までスタジオあくとれ。

車椅子に載せられたままいわゆる植物状態の患者たち。車椅子を押す看病の人もそれぞれの納得をしている日常。ある日、その患者の一人が居なくなり…

動けない患者たちの世界をココとは別に設定し、彼らの中で起きているだろうことを描きます。 言葉遊びや、つぶやきにも似た世界観を自由に飛び回るつくり。小劇場の王道のようでいて、最近は見かけない感じでもあります。

ファンタジーでアタシは嫌いじゃない雰囲気。第三舞台の片鱗を感じたりもします。が、あちこちに飛ぶ台詞や、世界の見せ方は、振り落とされそうなスピードとあいまって、アタシには少々難解に過ぎる感じがあって少々大変です。物語の些末が判らなかったとしても、わけわからないままに圧倒的に引っ張ってくれる、というのでももちろんいいのですが。

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2007.07.28

【芝居】「おんわたし」スパイラルムーン(月キャスト)

2007.07.27 19:30

十周年を迎えるスパイラルムーン、記念公演の第一弾。本編90分。毎日ライブやトークショーを付けていて全体で120分ほど。29日まで「劇」小劇場。

小さな島の郵便局、人口も少なくて郵便物は少なく、観光客もほんの短期間。仕事もせずに昼間からのんびりしてる男やら、夢を追うために出ていく若者も。局長が海で拾ってきた瓶に詰められた手紙、その返事を書く。ある日、そこに一人の若者がやてきて。

沖縄、というのが流行っているのは何年目かしら。初演の頃はアタシ自身が沖縄に行った直後だったのもあったのですが、流行ってましたよねぇ、当時から。のんびりした時間、アタシが一人で行ってもおおらかに受け入れてくれる場所。

それはつまり、ステロタイプな描かれ方ではあります。実に丁寧に一歩一歩描き出すのはかなりじれったい感じもします。が、ほぼ全ステージを満員にしてしまっている彼らには、芝居を見慣れないような「普通の客」に伝えようとしているがゆえの構成だと思います。

さすがに初演のときの泡盛試飲はなくなっていましたが(アラカルトですら、ワイン試飲を止めたぐらいだ)、ビールが欲しくなるぐらいにかなり温度が上がる客席。アイスノンをタオルでくるんだもの、暑い客席中心に配布する目配りは強みです。もうちょっと空気が絶え間なく動いている(=扇風機でかき回す)なら楽だと思うのですが。

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2007.07.27

【芝居】「mrs,mr.japanease」小指値

2007.7.26 19:30

ポップなダンスなのにセリフの味がある一本。気楽で面白いし、実は結構リアル。30日まで、80分。王子小劇場。

渋谷の街、同窓会で久し振りに会う人々、高校生の頃のことが蘇ってきて。

ダンスがあまり得意でないアタシです。身体表現の凄さ綺麗さは感じても、そこに「言葉」が無いことがアタシに物足りなさを感じてしまいがち、なのですが...。小指値はその身体にセリフを付けて、物語らしいものを作り上げます。アタシにとっては、青年団よりもチェルフィッチュよりもストリートにありそうな言葉、がそこにあります。

同窓会で待ち合わせ店を渡り歩くシーンと、高校生のころのあれこれのシーンのフラッシュバックが実に自然。「ノスタルジーで乗り切る」というセリフや「ホワイトアウト」の下り、バランスオブパワーをつま先立ちで見せるあたりなど面白いのです。意味無いほどに「おかしな」カラダの使い方を織り交ぜ、気楽な感じで見せながら濃い密度。

終盤に出てくる「新婚の妻が家に居る」シーンがちょっと好き。専業主婦が家の中に居続けることを「家具になる」と云う選ぶ言葉のはまり具合、ただ者ではないのです。

案の定木曜日だというのに満員。500円で売ってる過去公演のDVDもかなりのイキオイで。スプレーとか、ちょっとアトラクティブなところはあって、これはそう長くは続けられない感じもしますが、その「イキオイ」がホントに眩しいのです。

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2007.07.26

女3人。

寄ればカシマシイ、ですかね。

グータンヌーボ、という番組が結構スキです。恋愛中心、かなり表面的で薄い感じの番組ですが、HDDレコーダに録って見てしまうぐらいにスキです。なんかねぇ、女性同士で会話してるっていうシーンが好きなのだと思うのです。もちろん、番組なのだかから「見られること前提」の会話なのですが。

思えば芝居を見続ける素地となった一つが自転車キンクリートの歌川椎子・飯島早苗・鈴木裕美の深夜番組だったのです。(DAISUKI!の深夜番組枠の頃に近い雰囲気だったのだけど、うあー、番組名がどうしてもわからない。) 年に1,2本ぐらいしかみてない頃に見はじめたのが彼女たちの芝居。知識もなかったのに足を運んだのは、毎週繰り広げられた彼女たちの会話にどこかひかれたから、だったわけで、そうかこれがアタシの業か。(^^;;)。

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2007.07.23

【落語】速報→「三本締めの会」

200707221830

三之助、弥助、文ぶんの三人の会、十三回目。小んぶ、れ紋(独楽)。22日夜、池袋演芸場。

落語は詳しくないアタシですが。
湯屋番の三之助はこなれていない感じ、駄目な若旦那は得意な方向だと思うのですが、いまひとつ届かない。

位牌屋の文ぶんは、ケチな旦那の話、遣いに出された先で真似をする流れが最初見えづらいけれども破綻無く。

仲入り後、れ紋は無理矢理盛り上げるように頑張るのは芸に裏打ちされてる強み。まさか回転するコマがこっちに飛んできたりはしない(筈)。でも、やんややんや、という盛り上げ方はたいしたもの。

らくだ、の弥助。死んだ嫌われもの兄弟分がちゃんと通夜を。苛めるられる部分が痛々しくならない。酔った先の話が客の気持ちに腑に落ちさせるのだけど、そこがもっと欲しい、と思ってしまいます。

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【芝居】「ドリームダン」散歩道楽プロデュース

2007.7.22 14:00

散歩道楽の川原万季のプロデュース公演。彼女自身の初作演と太田善也の作演の二本立て。約120分、22日夜までアートスペース・プロット。

具合が悪くて寝てる男と姉とその友人。男はバンドをやっているが、それを捨てて沖縄に行きたいと思い、姉は惚れっぽく。「ブランコに行列」(70分)。
崖から飛び降りようとしている女はハッピ姿の男に止められ、何もかもうまくいかない半生を…「朝がくるたび、そう思う」(40分)。

「ブランコ〜」はバンドやら恋やら、少々うだうだな緩い話。置くべき視点が定まらない感じがあって、作家の見ている情景が物語というまでは繋がらない感じでもどかしい。バンドメンバーのギタリストを演じた高田泰介は多分ミュージシャンなのでしょう、味のあるキャラクタ。

「朝が〜」は、さすが手慣れた感じで、40分間が濃密。飛び降りようとする女とそれを止める男、女が出会って来た人々の回想をスピーディーに繋ぎ、とにかく飽きさせません。ある種の小劇場的王道な、「私」をめぐる話なのだけど、手堅い話を濃密な時間に圧縮した面白さがあります。美醜をことさらにネタにし、出落ちに近いキャラクタもてんこ盛り。笑いもあるけれど、オヤジ的な眼福もそれなりにあって番外的な楽しさも。

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2007.07.22

【芝居】「THE BEE」(ロンドン版) NODA MAP番外

2007.7.21 16:00

日本版のオリジナルとして、約一年前に上演されたロンドン版。29日までシアタートラム、70分。

ストーリーは日本版とほぼ同様に、妻と子どもを人質に取りたてこもった犯人の妻の家に、たてこもるという話。

舞台両脇に縦書きで字幕。日本版を先に見たおかげで、字幕をチラ見するだけである程度筋が追えるのはいいところ。英語がわかればなぁ、と自分の力不足がくやしかったりもしますが、それはまあ、仕方のないことで。どうしても字幕を読む瞬間は視線が役者から外れてしまいますからね。

シンプルな紙一枚で構成されていた日本版に比べると、赤い床と舞台奥のマジックミラーのような壁で構成され、もっとメタリックな質感の舞台。マジックミラーを半反射のような照明で使うことで、舞台で起きていることが、向こう側(=小古呂)でも起きているということを想像させ、井戸と小古呂の妻の不思議なルーティンの日々の時には合わせ鏡の像が繰り返し見えるようにして「同じことが繰り返されること」を効果的に見せています。シンプルに見えて高い技術に支えられている美しい装置です。

井戸と小古呂の妻の男女を入れ替えることで、レイプされるあたりがより戯画的になって生々しさは減っています。あたしとしては、日本版の組み合わせでは「生々しすぎる」感があったのですが、ロンドン版の方がちょうどいいバランスという気がします。

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2007.07.20

【芝居】「天国」ブラジル

2007.7.19 19:30

ブラジルの新作は、期間工が集う店の話。22日までザ・ポケット。120分弱。

自動車工場の近くの居酒屋。夜な夜な集まってくるのは、美人女将目当ての工員たち。短い期間で稼ぐのは訳ありだったり、現金が必要だったりとそれぞれの理由。ある日、男が女将に言い寄る。単に美人だからというわけではなく。

携帯電話こそみんな持ってるし、別に昔の話というつくりではありません。が、昭和の歌謡曲が流れ、今で云う個人事業主な期間工が登場し、その中に外国人が居ないという意味では、本当のリアル、というのとは違う感じもします。それは大きな問題ではありません。現実の現場は派遣や請負というさまざまなシステムが入り組んでいてややこしかったりします。が、物語のシンプルな見せ方は、彼らの雇用形態での明日をも知れぬ不安定さが物語全体を包み、彼らの不安を観客は感じることができます。

この先には希望なんかないことはわかっているのに、そのまま突き進むしかないのを悲劇だと言うのだとすれば、この場所はまさにそうなのです。突き進む中で、それぞれにある言えないことが徐々に見えてくるのは、構造の巧さ。

二日目は終幕のタイミングや、客席に飛んでしまったり、場面が微妙に繋がらないチグハグさを感じましたが、物語の大筋には影響なかったと思います。

ネタバレかも

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2007.07.19

安否。

月曜日にぼおっとしていたら、揺れを感じました。震源近くではホントに大変なようですが、安全な回復を願うばかりです。

劇場で揺れを感じると真っ先に上を見上げてしまいます。自分の上に照明機材がある可能性がある小劇場では特に気になります。怖いなぁと思ったのはこのときで、劇場も相当に揺れました。まいったのはその後の移動でした。もちろん、芝居を見よう、ぐらいの地震で良かったのですが。

地震のあと、無事だと言うことになると親兄弟ぐらいにはメールしますよねぇ。あとは何処に書くかなぁ。mixiと、ココとか、かなぁ。

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2007.07.17

【芝居】「愛憎」MCR LABO#4

2007.7.16 15:00

MCRのラボ公演。90分弱、新宿村Liveでの公演は終了。

若い男が恋人の年増の女。引け目というわけではないが、漠然とは不安抱えていて。別の若い女が言い寄ってたり、会社でも仕事が出来ないのに主張の激しい若者たちから微妙に標的にされ、入ったサークルはかなり変で。

コの字に囲んだ客席。全体に笑いで貫く姿勢は一貫していて、気楽に楽しめます。42歳の女、というのをことさら笑いに繋げ過ぎる感じはしますが、痛いところギリギリで踏みとどまる感じはあります。最終的にはちょっと前向きの終わり方がベタという気がしないでもありませんが、あれだけ貶めたのだからこうしないとバランスが悪いというのもわかります。

恋人の男の部屋、オフィス、謎のサークルとおおまかに3つの場所。オフィスでの「嘘をついてはいけない日」というルールで次々と明るみにでる悪行の数々ってのがちょっと面白い。あるいは「被害者の会」の「何で私が」という決めポーズがあるってのもちょっと楽しい。

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2007.07.16

【芝居】「サロン」フライングステージ

2007.7.15 18:00

原作(amazon, サロン)はありますが、全ての要素を盛り込みつつ大胆に再構成。150分は少々長いですが、レビューもあるので。17日まで、シアターグリーンBigTree。

北関東の温泉町で生まれた女の子。学校にいけなくなって、父親がいなくなった旅館を切り盛りしている母親にもジジイがついて。こんな町、出たい、パリが私の居場所だ、と思っていたけど。
寝過ごした電車、気づいたら東京。イトコの家に行く。同居している男に出迎えられる。そこには居られず、彼氏と別れたばかりのドラッグクイーンの家に行く。セクシャルマイノリティたちの集うそこは「サロン」だった。

多分初見の劇団。知識としてゲイたちのステージだとは知っていても、劇場の入り口横にパレードのパンフや、カミングアウトした候補者のチラシを渡されたりすると、少しだけ身構えるアタシです。

女子高生の成長する話が中心になる前半、ゲイのカップルの話が中心になるのは後半になっていて、じつはかなり様相が異なります。終演後に買った原作では連載が中断したりしていて、前半と後半で着目点が変わっていたりと作家の想いあぐねている感じがわかります。芝居にするにあたって、潤色をしていて、たぶん大胆に構成を変えたり、補足する物語を足したり。拘る部分が演出にあるというのは重要なことだと思います。

たとえば、女子高生が言う「普通ですから」に対して鋭い言葉を投げかけて、この芝居のベース、観客の視座を据えます。あるいは原作にない父親やノーマというドラッグクイーン、ヘテロのカップルの結婚式を書き足したりしているのです。結果、レビューで数曲歌うのもあって時間は長めになっています。

ライブがあるのは賛否があるかもしれませんが、アタシは楽しみました。客演の菜月チョビは15歳と25歳というかなり無茶な年齢の振れ幅を演じますが、アタシがすきなのは初めて飲んだアルコールで暴れるように歌いきるシーン。全体に身長高めの役者の中で小さなからだで飛び回りピンボールのようにはね回る様子は、持って行きようのない気持ちを見せてくれるようで印象的です。

作・演出に加えてノーマを演じる関根信一は圧倒的に存在感があって印象に残ります。

シアターグリーンの大劇場にはそんなに通っているわけではありませんが、エレベータを使わない客入れ動線を体験したのは初めてかもしれません。階段が大丈夫な客は階段で案内された方がむしろスムーズに入れると思いますので、むしろまったく正しい判断だと思います。

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【芝居】「五月の喜び(3)七月」桃唄309

2007.7.15 15:00

ミニライブやリーディングなどのアソート企画。公演は終了。130分。

銀座のギャラリーの地下、1Fは別の展示をしているのですが、招かれるように階段を下りた先。シェリー酒やビールやワインや、ドリンクを持ちながら気楽に見られるように構成されています。10のパート、演目的には7つ。

ごく短いダンス、15分ほどのライブ二本は桃唄つながりのアーティストのもの。芝居っぽさがあるのは、即興コメディ・柚香の小部屋(お題、「墓参り」「サッカー選手」「長い行列に並ぶたこ焼き屋の夫婦」)、佐藤達の紙芝居、11月公演のプレビューリーディング。

ライブはそれぞれ4曲。2,3曲の方がアタシの体感に近いですが、ちゃんとした力。圧倒的に客席が沸いたのは紙芝居なのです。もの凄い早さでコマを進め、クローズアップやデフォルメなどに溢れていて目が離せないのです。決してだらしない人ではありません。インプロは即興で奇跡が起きることはともかく、毎回のクオリティをどう保つかが難しいのですが、3本にしてリスクをわけつつ、最後は役者二人の間でキャラクタが確立している設定(たこ焼き屋の夫婦)ということで一定の水準になることを担保するしたたかさがあります。プレビューリーディングは、芝居としては立ち上げる前の戯曲を役者達が読んで観客と会話したい、というのです。いわゆる試作品を作る前にどのようにシミュレーションをするなどしてコストを低減させるいい試みだと思います。

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【ライブ】「はじまりの合図」THE SHISHAMO

2007.7.16

フェイク感満載のTHE SHISHAMOライブ。アタシは初見。

ニセ外国人アーティストが、コーラス兼通訳の女性を従えてのボーカル。怪しい外国語と怪しい通訳のMCを挟みながら、ポップでノれるナンバー。数曲で出てくるダンサー二人の女性も可愛らしいうえになんか全体にスタイリッシュでかっこいい。「リンゴギャル」なんか楽しいよなぁ。

もしかしたら客席中でも最高齢に近い側じゃないかと思うのだけど、これは楽しい。

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2007.07.15

【芝居】「魅せられる〜神様の夜(Cプロ)」KAKUTA

2007.7.14 19:00

4週連続のKAKUTAのリーディング。アタシ的最終日は少々のハプニングもちゃんと取り込む力強さ。85分。台風接近でもちゃんと満員。15日まで、ギャラリーsite。

近所の呑み屋の主人、カナエさんが語る若い頃、雪国での不思議な体験「春立つ」。
上の階に住む男から不思議な相談「離さない」。
強烈な失恋の痛手からなかなか立ち直れない女と父と友人たち「魅せられる」(オリジナル)

シリーズの中から、不思議なモノに「魅入られてしまった」人々の不思議な話の二本に、劇団オリジナルの一本で構成。「春立つ」は客演中心で構成、志賀廣太郎の声質の魅力と、麻生美代子演じる呑み屋の主人の味。この二人に限らず、のんびりした呑み屋の風景と雪国での不思議な光景の二つを自在に舞台に作り出します。「寂しい」という気持ちを厚みある表現で。女が男に抱きすくめられ、気持ちも含めて「丸められる」という独特なことばとして選び取ったのは作家の感性ですが、その言葉をこの役者でこんな風な演出に体現させるのは作家も役者のことも信用している演出の確かなちから。

「春立つ」はアドリブ感満載、歳かさの役者と読み手の圧倒的な力。不思議な空間をきちんと作るのです。寂しいという気持ちのこんなにも厚みのある表現に。女を「丸める」という言葉を選んだのは作家の感性ですが、それをこの役者のこんな演出にするのは、役者も作家も信用した演出の力。

「離さない」は再演でほぼ同じキャスト構成のようです。人魚に魅せられ生活すらたちゆかなくなりそうな、すんでのところで踏みとどまった二人の物語。高山奈央子演じる人魚は背中側からのシーンの美しさと、こちらを向いている時の怖いほどの迫力。迫力が勝っているのは物語の意図どおりなのでしょうが、もう夜泣きしそうな残り方。葛藤する二人、特に浜辺での二人のシーンで「誘う声」というあたりから、「私」を演ずる野澤爽子の色気にくらくらするのは、劇中の「エノモトさん」を演じる佐藤滋だけではないと思うのです。ここの濃厚さが初演よりも強くなったように感じるのは、アタシも役者もそれなりに年齢を重ねたからでしょうかと年齢を前向きに考えたりして。

間をつなぐ物語は、結局4本通していることにはなるのですが、時間軸的にはABCDの順では必ずしもないよう。失恋した女のあまりの落ち込みようと、心配しながらも触れることのできない父親の気持ちと、気楽に過ごせる女友達のありかたと、細かく切り取って見せています。読本となる中心の物語を細かいパートにわけることで、このシリーズは独特のリズムが生まれていて、この構成にも唸らせられます。

あたしの見た14日夜の回では、食器を割るハプニング。少々役者の動揺はかいま見えるものの、まるで「食器を落として割る」ことがあらかじめ演出されたかのようにそのあとにフォローされていく流れはたいしたもので、ここでも劇団ってもの圧倒的な強さを感じることが出来ます。

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【芝居】「小泊の長い夏」渡辺源四郎商店

2007.7.14 14:00

少しSFっぽい渡辺源四郎商店の新作。100分、16日までザ・スズナリ。

温暖化の進んだ日本、東京は随分沈み、青森など涼しかった地方が勢いを持つという時代。山奥の神社に、飛び出して数十年音沙汰のなかった息子が戻ってくる。

温暖化と青森、というなかなかない取り合わせ。東京に出たきりの男が久しぶりの里帰り、そこに東京あたりから流入している難民たちが関わる、という状況を軸に。しかし男の引き際の話だとアタシは読みました。ナベゲンのテーマ、という気もします。綺麗だという小泊の夕日がシンボリックに扱われるのもそんな印象。

無茶苦茶な設定を前提にした世界を設定するのは作家の得意技で、それによく応えた役者たちや、ふんだんに使われる津軽弁も魅力的なのです。

反面、親子の話の軸に対して、「家族たち」は背景の設定を引き出す装置以上にうまく機能しないのが少しもったいない気もします。ナベゲンならもっともっと、と望んでしまうのは気楽な観客、な訳ですが。

◆(8/9追記)「家族たち」には、実は仕掛けが用意されていたとのこと、云われてみれば確かにそうかも、なのですが観るアタシに教養がないってことは、「うまく機能しない」とまで書いてしまった手前ちょっと恥ずかしい..ので、その種明かしリンクを張っておきます。 (1, 2)

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2007.07.14

【芝居】「小さなお茶会。」空想組曲

2007.7.13 19:00

ほさかようのユニット。細かくきちんと作り込まれた120分はもの凄い密度で、これは舞台だからこその面白さもあって。小さな恋のものがたりだと思っていると..17日まで、王子小劇場。

女が男を誘拐する。
喫茶店、毎日やってくる若い男は大学の先輩の女性の働くその店だけれど、お目当てのウエイトレスがいて。マスターは妻を亡くしているが、忘れられない。コーヒーで粘り続けて帰らない女の目的もわからない。通い続けている男の恋が、まわりの応援で成就した瞬間...

すべてがネタバレ、になりかねないのですが。

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2007.07.13

【芝居】「おやすみ、枇杷の木」青☆組

2007.7.12 20:00

青年団リンク、青☆組の新作。100分、16日までアトリエ春風舎。

母親が住んでいる古い家、長女、三女は一緒に住んでいる。次女が久し振りに戻ってくる。近所の主婦は見合い写真を持って訪れ、三女の彼氏はいつものように呼びに来る。誕生日祝いに、母親を訪ねてくるのは。

縁側のある家、夕日のような赤い色が美しいのです。優しく居られる場所に居続ける女たち、というよりは家族の会話は最初はとりとめない感じもしますが、それぞれの人物のベクトルがちゃんと方向を向き始めます。

ココに居たいと思い続ける気持ち、一緒に居るためならばココでなくてもいいという思い切り、多分何かあったがために避難してくる場所、喧嘩してもひかれあい継続する関係。同じ家族なのに多様な女たちのすがた。誰かの意志というよりは女たちをショーケースな感じに。

ネタバレかも

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2007.07.11

気持ちの振れ幅

ツユのせいなのかどうなのか、結構ともだち関係でも凹んだ、なんて日記やらmixiを見かける昨今。もちろんあたしも結構凹んだり晴れたりと気持ちの振れ幅の大きさに自分で戸惑います。でも、こういうときはおとなしくしてるべきなのかなぁ。前厄だしなぁ(^^)。一歩踏み出してみるってのもいいのかなぁ。(意味不明ですね)

3連休が待ち遠しいっ。で週末。

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2007.07.08

【芝居】「さようなら〜神様の夜(Dプロ)」KAKUTA

2007.7.7 19:00

KAKUTAの連続リーディング公演。CプロDプロ交互上演で15日まで、恵比寿・site。これからご覧になるなら、なるべく真ん中、舞台奥の机を見渡せるように。

死んだ叔父に会う私の「春野」。知り合いになった熊との「草上の昼食」。引っ越しする女、祖母、男「さようなら」。

シリーズの最後になるように、川上弘美の別れに関する二本と、劇団オリジナルの一本(シリーズ全体をつなぐ役割があります)で構成しています。ミニマルな二人・三人の芝居。圧倒的な力の客演陣、とくに麻生美代子、志賀廣太郎はもちろん突き抜けています。

「春野」は朗読の艶と年配然な役者と少し若い女の会話。枯れ具合がいい味を持っています。そこに○×判定のようなコミカルを盛り込む魅力。

「草上〜」は不安なく。初演に比べるとよりピクニックな部分に着目している感じの変化がアタシは好きです。

オリジナルの「さようなら」は、歩く二人の会話を覗き見るような感じのごく短いものを重ねています。

近くに感じていても、二人の間にある溝のいかんともしがたい感が分かつ二人。それゆれの「別れ」の芝居。まるでSFのような無茶さでも最初の一言でさらりと世界に連れ込んでしまうテキストの凄さ。あるいは川上弘美の作品の魅力の一つ、食べ物の描写が実に丁寧に。美しい映像の効果も印象に残ります。

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【芝居】「五人くらい(CRY)」五人+ホルモン狂

2007.7.7 14:30

女優五人のユニットに男二人のコントユニットがコラボする企画公演。105分。9日までサンモールスタジオ。

病院にたむろする元気だが病人の若者たち。性格もバラバラだが同居する四姉妹。病気なのに病院をひどくいやがる女とあの手この手で行かせようとする男のカップル。殺人を犯したが反省の見えない女囚。

生き死にを芯に据え、ばか騒ぎしたり、想いがあったり、急激に大切に思う気持ちだったりな並列する話。全体として繋がりは薄く、個々の話を同じようなベクトルの方向に揃えていく感じ。

羊たちの沈黙ばりの殺人鬼女囚はコミカルと影のコントラストが見事で見応えがあります。カップルの女はツンデレな造型ですが破綻がなくてハマる感じ。男四人の病人たちの騒ぎは下ネタも多く好き嫌いありましょうが、山手線のネタは昭和のような不思議な味があります。

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2007.07.05

七夕まぢか。

暑かったり、雨がそこそこに降ってたりしますが、徐々に夏、な感じの昨今。七夕だからといって特に何も変わることなく、まあ芝居を見に行ったりするわけですが。あと少し頑張れば連休だー、頑張れー、と自分を鼓舞しつつ。

週末。

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演劇のグランプリ。

CoRichが次の演劇祭を発表しました。何はともあれ、祭りは大切です。成功をお祈りはしつつ。公演する団体が、CoRichにさまざまな情報をある程度手間をかけてとうろくしてくれる、ってのはホントに大切なことなので。

が。

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2007.07.01

【芝居】「鉄の纏足」東京タンバリン

2007.7.1 18:00

東京タンバリンの新作。110分。2日まで駅前劇場。

レンタルビデオ店にバイトすることにした男。31になってるのに、就職先を探すまでの繋ぎだという。学生や夜バイトかけもちとか、濃いが面倒な人間関係が濃くて。

駅前劇場を対面客席に組み、金網フェンスを設置してバスケットコートに。悪意やすれ違いや鬱積といったマイナスの感情を積み重ねて描き、人間関係を重ねていく中で生まれてくる、もやもやとした面倒くさい対人恐怖的な感情を、舞台の中に見せているのです。

ありふれたレンタルビデオ店、バイトや店長たちの微妙な感情が渦巻く世界をベース。そこに、図書館と呼ばれる世界を設定。普通の図書館というよりは、皆の感情が抑えられ、気持ち悪いほどの穏やかな世界。「決して自分を傷つけたりしない他者」というのは、たとえば第三舞台のいくつかで見られるテーマなのだけど、もっと切実で身近な感じに作り出します。 この「図書館」、トークショー(7/1夜)によれば、主役の男の脳内世界のような位置付けで、シンボリックなバスケットのシーンと併せて、貸し・借りや、気持ちのやり取りを動作として入れたかったのだといいます。

この「図書館」、代理で読んででもらうとその人のものになるというどこかSFチックなアイデア。この仕組み自体はあまり芝居の本筋とは関係が無く、ちょっと理解しづらい感じはあるのですが、粗削りながらこれはちょっと面白い。

会話が急にケイタイやメールや別の話題に飛んでしまったりというコミュニケーション不全、あるいは数ホップの関係を経ることで違和感が悪意に転換されてしまう過程の見せ方など、ちょっと怖い感じすらする冷徹な作家の視点が冴えています。

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【芝居】「ガラスの動物園」COLLOLリーディング(recall:1 vol.1)

2007.7.1 15:00

COLLOLが企画したリーディング公演、recallの一本目。約100分。蒲田行進曲(こちらは清水宏だ…見られないけど)との交互上演で2日まで門仲天井ホール。

ガラスの動物園、ほぼそのままのリーディング。四人の役は十名の役者に割り振られ、人物のいくつかの側面を分けた役者にする趣向。役も少なく、動きも少ないおかげで、混乱は少なく、加筆もないようでテキストをシンプルに味わう感じに。そもそも、ガラスの動物園を戯曲として味わったことがなかったので、その意味ではアタシには結構面白く見られたのです。

ガラスの動物園は結構長い戯曲なので、動きも少ないこの形式なら100分はほぼ限度の長さ、アタシにとっちゃ90分ぐらいにしたいところ。カットはしているようで賢明な判断だと思います。複数の役者がおなじダイアログを繰り返すところが数ヵ所あったり、おなじダイアログが輪唱のように追いかけっこするシーンがいくつかありますが、効果としては手探りな感じもします。

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【芝居】「わるくない休日〜神様の夜(Aプロ)」KAKUTA

2007.6.30 19:00

KAKUTAの4週連続朗読シリーズ。ファンタジー色の強い話を集めたAプロ。80分。Aプロは7月1日まで、C/Dプロは来週から7月15日まで。

公演で拾った本に挟まれていた詩の作者を捜して「悪くない休日」。
梨の収穫を手伝いに行った梨畑で私が出会った生き物「夏休み」
お弁当を持って川べりに出かけた。隣に引っ越してきた熊と。「神様」。
精進料理を食べに行った寺の池で出会った河童に連れられて行った先で持ちかけられた深刻な相談ごと「河童玉」

先週のBプロと同様、川上弘美のテキスト「夏休み」「神様」「河童玉」(amazon-「神様」所収)をベースに構成。間をつないでいる「悪くない休日」BプロにやC/Dプロにも繋がるようで、シリーズ全体を「持ち主不明の詩」でゆるくつなげる構成のようです。

ネタバレかも

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【芝居】「三姉妹のコーダ」全自動カメラ

2007.6.30 15:00

尾崎まさこ主宰のユニットの不定期公演。アタシは初見です。65分。7月1日まで池袋のカフェ・BEMSTAR。ワンドリンク付き。

呼ばれて数年ぶりに帰省した妹二人は死んだ姉を見つける。弔問客などやってこない静かな葬儀に、謎の男が現れて…

地味で取り柄のない長女だが、田舎の家に住み続け、居て当たり前の存在。妹二人は美人で東京に行って華やかな生活をして、殆ど帰省もしない。妹二人の会話が大部分を占めていて、長女には殆ど喋らせず、謎の男を置いたのが効果的。 そこから見える死を挟んでの三人たちそれぞれの想いが見えて来るのは小さな空間の短い芝居としては尺にあった感じでしっくり来ます。

終幕に向かって物語に少々疑問感じたりするのは、もし辻褄があっていたのだとしてもわかりにくかったという意味でかなり重大な問題ではあります。物語自体もよくあると言えばよくあるタイプな気もします。が、彼女が物語を丁寧に紡いでいこうとする気持ちはよく伝わります。

いや、美人姉妹はともかく、少々目のやり場に困る感じの衣装もね、アタシは好きですともさ、と開き直ったりもしますが、役者の美しさ、下品にならない色気も芝居の魅力なのは間違いないわけで、この芝居も割と好きだったりはします。

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