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2007.06.20

【芝居】「サムシング・スイート」パルコ

2007.6.17 17:00

サードステージがやっていたSHOW CASEシリーズで安定した作品を作り続けていた中谷まゆみ作+板垣恭一演出のコンビ。初めてサードステージのクレジットの外れたパルコ単独公演。期待の大きな芝居を打つということはこんなにも難しいものか、と思いつつ。115分。7月3日までパルコ劇場、そのあと大阪・倉敷・名古屋の公演。

花火大会を観ていた男女、ふとしたきっかけで作家の女の人生は大きく変わってしまう。5年後、あの事件から安定を取り戻しつつも、その後遺症のように同級生の女二人と、恋人の関係に影を落とす。そんなある日、訪ねてきたのは作家のファンだという男...

チラシによれば、女同士の「すこしエグい」かもしれない関係に作家の興味の中心があるようです。複雑に想う関係を描き出したいという意志は強く感じますが、憎しみも愛情も含めてこれだけの想いを持続させるためには相応のエネルギーが要るのだと想うのです。出来事が結構大きいわりには、それだけの想いを生み出すエネルギーを感じづらいのが勿体ないところ。

パルコ劇場の規模でいわゆる芸能人が出る芝居としては水準なのですが、なんせビューティフルサンディ・ペーパーマリッジ・今度は愛妻家と続いたコンビです。お父さんの恋・ラブハンドルに違和感を感じながらも描き出された世界はあたしの好きなモノでした。が、その期待を持って観てしまったあたしには、少々食い足りない感じ。役者がダメということは決してないのですが、言葉や気持ちの動きが今までよりはずっと荒い感じがしてしまうのと、演出が役者を御しきれていないという感じがしてなりません。

障碍者の屈折した気持ちを描き出すがために、序盤でかなり無理矢理な感情を要求している感じがしてなりません。なぜそうなるのか、どうして彼らはそういう関係を維持しているのかは、もちろん役の人物達の中では折り合いがついていると思うのですが、客席から観ていると、その唐突さが序盤に続きすぎるために、すこし距離を置いて観てしまうアタシなのです。

パルコ劇場「サムシング・スイート
2007.6.17 - 7.3 パルコ劇場
2007.7.7 シアタードラマシティ
2007.7.11 倉敷市芸文館
2007.7.16 愛知厚生年金会館
作 中谷まゆみ  演出 板垣恭一
出演 星野真里 辺見えみり 山崎樹範 井端珠里 金子昇

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