【芝居】「お願い放課後」ハイバイ
200705261400
3月にプレビューを行った公演から改訂を加えた本公演。ほぼ110分。6月3日までこまばアゴラ劇場。売り止めの回もありますが、客席すこし替えて当日券を出しているようです。
大学生なのにどう見ても60歳の男・志賀。演劇部に所属し仲間たちも一目置く実力がある。言い出せない好きな女の子のことに悶々としたり。ある日、新任の顧問がやって来る。世界的に有名な演出家だった。志賀のカツラを奪いとり、そこに嘘があるからなのだといって理不尽にしごく。志賀ファンだという同級生の姉が一計を案じる。いよいよ本番の日..
大きな流れはプレビューから変わらないよう(ちょっと記憶曖昧)。志賀君の親の設定が母親から父親に変わり、年に4歳年をとる設定が辻褄が合わなくて3歳になったり。もともと青年団の名優・志賀廣太郎客演ありきで計画された公演のようです。プレビューでは若い役者が顔にマジック(みたいに黒くくっきりした)で皺を描き、どんなシーンでもふざけているように作っていたのに対して、しっかりと年輪の刻まれた役者によって演じられることで、それが笑いに結びつけづらくなってるところもあります。結果、うっかり叙情的でどこかリリカルで、下手すると感動すらしてしまいそうな仕上がりになっているのはいいのか悪いのか。
設定は大学生なのだけど、オトコノコの行き場がなくてもやもやとしていて、時に臆病で時に臆病なアンバランスな、中学高校あたりで最高潮に達するであろう、「あの感情」を丁寧に執拗に描きます。親への反抗というかどうしたらいいか距離が掴めない感じ、オンナノコへの想いがストレートに自慰に走ってみたり。かっこ悪いどころか、甘ずっぱいというよりは妙に汗臭い感覚の描写。ところが終幕は一転、暗い中で二人きりの会話、夢というか幻のような不思議な感覚の描かれ方。
志賀廣太郎は見事に好演。古舘寛治は理不尽な演出家、という作家お気に入りのキャラクタがはまり。石橋亜希子はプレビューとは違う役なのだけど、垢抜けない感も含めて彼女っぽい絶妙さと色気。反面、プレビュー時の役のかなり色っぽい衣装でなくなったのは残念、オヤジなアタシ。永井若葉の挙動不審さが絶妙さを。
ハイバイ「おねがい放課後」
2007.5.24 - 6.3 こまばアゴラ劇場
作・演出 岩井秀人
出演 志賀廣太郎(青年団) 猪股俊明 古館寛治(青年団) 金子岳憲 石橋亜希子(青年団) 島林愛(蜻蛉玉) 星野秀介(田上パル) 永井若葉
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