【芝居】「絢爛とか爛漫とか(モダンガール版)」赤坂RED/THEATERプロデュース
2007.5.13 14:00
再開発の進む赤坂に出来た新しい劇場、赤坂RED/THEATERのプロデュース公演の第一回。 自転車キンクリートSTOREの1993年、1998年の戯曲は見応えがあります。男性ばかりのモダンボーイ版と交互上演で23日まで。140分。モダンガール版のみはe+の得チケ(半値販売)も出ています。
昭和の初め、小説家を目指す若い女の離れの部屋。評論家や小説家を目指す女ともだちたちが集まっている。最初の小説を発表したものの次の作品が一文字も書けないまま思案にあけくれ焦っている女は、友人達が先へ進んでしまう感じがして更に焦り..
見てないとおもってたのだけど、実はじてキン版の再演(1998)を見てました(モガ・モボ)。記憶は曖昧ですが、見てる最中にぼんやりストーリーは思い出したのでした、わはは。
よく練り込まれた脚本を、妙な手を加えず丁寧に作り込んだという印象。良く喋り、議論し喧嘩する若者たちは、「自分がどうなっていくのか」という不安に根ざしながらも、真剣に将来を考える姿が「アツい」のです。アタシ自身がどうなっていくか、なんてことを考えてしまうなぁ、とも思ったのだけど、98年版でも同じことを考えてた気がします。何も成長してないのか、アタシ。
ネタバレかも
「秋」と名付けられた三場目、才能があるのにあっさりとそれを辞め、結婚してブラジルに渡ってしまうという薫(野口かおる)は、この舞台の中では圧巻のシーン。舞台全体を通してコメディエンヌ的なポジションもきっちりやっているのだけど、このシーンの真剣さはなかなか見られない役どころな感じもします。舌足らずな喋りの感じで苦労しているのはわかりますが、ちゃんと大丈夫。
反面、物語の最終場となる四場はたった二人、しかも一人語りが圧巻にならなければいけないのだけど、さすがにこれは荷が重い感じもします。もちろんちゃんと出来ているのだけど、物語の語り部というのは役を演ずるのとは違う一種の迫力が欲しいところ。
モガ版に関して云えば、脚本の文体そのものが、少しばかりあて書きされている口調があったりするところまでほとんど正直にやっているために、その口調の向こう側に歌川椎子や柳岡香里が見え隠れしてしまうのは、まあアタシだけかも知れません。とはいえ、完成度は高い舞台。今回のモボ版は見ていませんが、どちらでもいいので、未見ならば、ぜひ。
赤坂RED/THEATERプロデュースVol.1「絢爛とか爛漫とか(モダンガール版)」
2007.5.8 - 5.23 赤坂RED/THEATER
作 飯島早苗 演出 御笠ノ忠次
出演 沢樹くるみ 野口かおる 琵琶弓子 中谷さとみ
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