【芝居】「愛人気質族」The Redcarpets
2007.4.28 14:00
天然スパイラルの金房実加の企画ユニットの旗揚げ。女性ばかりでというフォーマットもちょっと似た感じで。110分、30日までアドリブ小劇場。
女の暮らす部屋に大学サークル時代のチームメイトが集まる。あれから時間が経って、不倫していたり、結婚して子供が出来ていたり、恋愛に今一つのめり込めなかったりとそれぞれに。別の日、部屋主の妹が連れてきた友人は信じられないぐらいのモテ体質なのにとりたてて美人ということもなく…
大きく分けて二つのパートで構成され、交互に進みます。 女子四人+αで繋ぐ、多分骨子の方は物語というよりは辛い恋愛してる女の情景を並べたり、いろんな考え方の女を並べて見せるショーケース的な感じ。女四人でだらだら喋るというフォーマットは、アタシが大好きなパターンなのですが、物語が立ち上がってこないのはもどかしい。
細部は実に面白いのです。「自分のために肉じゃがを作ること」「100%可愛い女はそれを自覚していて、相手をする自分は疲れる」という討論を延々したり、「モテ体質なのに、堅い女」とかの前半が好き。後半で子供の重い話を持ってくるのは切実さは理解できるけれど、ちょっと失速な感じも。終幕、デートに出かける妻と話をする部屋主の息詰まる感じと、それをちょっとビターな感じに終幕させるあたりは好きなのですが。
千葉おもちゃを女性らしく書いてる芝居はあまり見かけた感じがしませんが、女性らしく可愛らしく。
もう一つのパートは、テレビ番組を模した「愛人講座」。お笑いに近い作りだけれども、破壊力があって、客席を掴んで離さないのです。アナウンサー役と、愛人歴20年なる女の二人で進むのだけど、この愛人講師(空ゆきこ)が抜群。「愛人たるモノ」から始まり「不倫男の種類」などを説得力を持って見せる確かな力なのだけど、それを笑いに持っていくのは役者の瞬発力。
メインの話は表面で起きていることしか描かれないのだけど、愛人講座はそれを作家の突っ込み目線 で解説してみたり、女たちに同情が寄せられそうなところを、「不倫はそもそも外れた行為」だとばっさりやってしまうのも巧いなぁと思うのです。
The Redcarptes「愛人気質族」
2007.4.27 - 4.30 アドリブ小劇場
作・演出 成井豊+真柴あずき
出演 千葉おもちゃ(マリッヂブルー) 甘城美典(劇団BLUES TAXI) 中塚未乃 竹内あすか 平島茜(天然スパイラル) 空ゆきこ(junkie sista) 藤原千代 中島愛子
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