【芝居】「サボテンの花」キャラメルボックス
2007.4.1 14:00
キャラメル初という音楽劇。120分。シアターアプルでの公演は終了。
小学校の卒業研究として大人たちの反対を押し切って1組が選んだのは「サボテンの超能力」についてだった。自信をなくした担任に変わって定年間近の教頭が課題を推した責任をとって担任を引き受ける。発表会の日、壇上の子供たちはサボテンの特殊な力をプレゼンしようとするが…
近年存在感を増す原作付きのシリーズ。いくつかの書き足しはあるようで、それを更に音楽劇という形式にしています。 何度も出てくる「ナッシング・ベンチャー、ナッシング・ウィン」などいくつかのいい曲はありますが、音楽劇と名乗ってしまったがために歌う曲が多く、物語の流れを寸断してしまう感じがするのはかえって勿体無い気も。
学校や教師たちに強い想いを持つ彼ららしく、学級崩壊という現象には強いバイアスがかかっていたりします。
一方で定年間近の男の熱さや若い教師への歯がゆさなど、キャラメルも年齢を重ねたなあと思わせるところも見えかくれします。物語の要請からか、静かに酒を呑むざるをえない人のありようを正面から物語に肯定的に取り込んだというのはアタシの知る限り初めてで、外部原作のメリットかとも思います。
意識したのかどうか、サボテンの超能力の証拠を見つけられなかった子供たちが「捏造」に走ったのも結果的にはえらくタイムリーな題材。
西川浩幸は年齢を重ねた教頭を好演。安定と確かな力を見せつけます。 渡邊安理は想い続ける静かな力強さが魅力。小学生より幼く見えてしまうのは彼女せいではありませんが、ちと厳しい。 コング桑田は圧倒的に安定した歌なのだけど、毒でもオカマチックでもないという役は、手足を縛られたような感じ。もっとも細かい笑いなど、転んでも只では起きない感がアタシは好き。
演劇集団キャラメルボックス音楽劇2007「サボテンの花」
2007.3.1 - 3/6 シアターBRAVA!
2007.4/14 - 4.1 シアターアプル
原作 宮部みゆき「サボテンの花」(文藝春秋「我らが隣人の犯罪」所収( amazon) 作 成井豊 演出 成井豊+白井
出演 西川浩幸 菅野良一 岡田さつき 前田綾 篠田剛 青山千洋 渡邊安理 阿部丈二 多田直人 石原善暢 小林千恵 阿部祐介 井上麻美子
コング桑田
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