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2007.04.09

【芝居】「媚励(ビレ)」乞局

2007.4.8 19:30

喪服割引など気持ち悪い感じ満載の乞局の新作。作家の結婚は、珍しく平和な物語に結実するけど、それは今までの乞局を見てるから。初見ならそれなりに覚悟してからの方がよろしいかと。15日までアゴラ劇場。

財閥が持っていた屋敷。三階建ての二階のピロティ。一階に住む家主の娘たち、長女はヒステリック、三女は昼酒、次女は家を出て仕事。三階は女性限定で貸していて、男を連れこんでいたり。部屋を見に来た女、ホモだと思われている管理人。家を守るための保存会もあるが、復興の時のオコボレを期待して…

ある意味閉塞するコミュニティ。911以降しばらく溢れていた題材ではあるのですが、本作ではちょっと雰囲気が違います。男の管理人が女性だけの入居者の下着の洗濯や、近所から酒をもって訪れる主婦など生々しい気持ち悪さと、そうせずには居られない屈折した気持ちを丁寧に描きます。決して誉められたことでない感情や性癖を冷徹でも笑いでもなく、どこか暖かい目で見ているというのが作家の本領発揮なのです。 この閉鎖された中では平和な日々が流れているのですが、外から見れば明らかにおかしな空間なのです。

覚悟してしまえば、全体的に見やすい舞台です。照明も明るめになっているし、見えないこともそうないし、役者はかなり充実している贅沢な布陣なのに余裕綽々なんてことはなくて、目一杯に試行錯誤している感じがして見応えがあります。セミドキュメントをみているような、というと言い過ぎですが、普通はあり得ない言動を、芝居がかってない感じで作り出すことの難しさにきちんと向き合っている印象があるのです。

乞局「媚励(ビレ)」
2007.4.5 - 4.15 こまばアゴラ劇場
作・演出 下西啓正
出演 秋吉孝倫 池田ヒロユキ(リュカ.) 下西啓正 竹岡真悟 中川智明 三橋良平 五十嵐操 石橋志保(中野成樹+フランケンズ)伊東沙保(ひょっとこ乱舞) 鈴木享 舘智子(タテヨコ企画) 中島佳子(無機王) 和田奈保子(公転周期)

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