【芝居】「妻の家族」ラッパ屋
2007.3.31 14:00
ラッパ屋の新作は少々複雑な兄弟姉妹と配偶者たちの夏の数日。140分。1日まで紀伊國屋ホール。そのあと大阪。
下連雀の古い家。盆休みにも帰ってこない子供たちをびっくりメールで呼んだ母親は病床で伏せっている。妻や夫が居たり、それぞれに困ってることがあって…
バラバラというよりは自由に育てられたらしい娘たちはそれぞれに自由で奔放な感じ。その相手をも見事に個性的で、それぞれ。母親自身も三度の結婚を経ていてまた自由。入籍したばかりの四女の夫が初めて訪れた「妻の実家」での個性的な人々との出来事を描くのかと思うとそれはわりと最初だけ。俯瞰した視点で、それぞれの事情やら想いやらを並列して並べて描いています。
借金を軸にして、姉妹たちの興味は古くて広い家の行く末に向かうという点では束ねられている気もしますが、それぞれがそれぞれの人生観を語りっぱなしという感じも受けて少々勿体無い気もします。
庭に池がある家の縁側という構造の舞台はラッパ屋の得意技で、人の動きを規制しときには、ドタバタを効果的に見せる働きはあるのですが、今作では少々、池落ちを使いすぎな印象は否めません。
「切って落とせない、いろんな人々がいる親戚の家族」という世界は確実に描いています。役者も手慣れた感じで安定した感じではあります。が、THEATER/TOPSで見せる濃密さや、「いろんな人々」の先が描ける筈の彼らだと思うのです。
元々、決して若々しい感じの劇団ではありませんが、介護、相続、果ては老いらくの恋やら高齢出産と、劇団も観客も歳とったなあと感慨を覚えます。一緒に歳をとり、観客がちゃんとついてきているというのは大したものだなあと思うのです。
ラッパ屋「妻の家族」
2007.3.24 - 4.1 紀伊國屋ホール
2007.4.4 大阪厚生年金会館 芸術ホール
2007.4.6 - 4.5 北九州芸術劇場小劇場
作・演出 鈴木聡
出演 宇納佑 大草理乙子 中野順一郎
熊川隆一 弘中麻紀 木村靖司 岩本淳
俵木藤汰 三鴨絵里子 おかやまはじめ 岩橋道子 福本伸一
加藤治子(声の出演)
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