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2007.03.05

【芝居】「ゼリーの空間」空間ゼリー

2007.3.4 19:00

「女性のために演劇、」を掲げる劇団の新作。女子高生のクラスで起きた事を通して見える光景は見応えがある濃密な90分。11日までシアターグリーンBox in Box(中)。

土曜日(休日)の教室。卒業アルバムの写真を選ぶために集まった女子高生たち。カシマシい中、教師と共にやって来た男は、犯人を探すかのように、クラスで2ヶ月前に起きた事件を…。

同質で有ることを至上とする人々の空間を「ゼリーな空間」とタイトルに。イジメを違う質を排除する構造と位置付ける視点は決して目新しいものではありません。が、それを幾重にも、その発端と、それを突き進めるざるを得ない状況と、次の萌芽をきっちり見せるのです。

難点がないわけではありません。事件を説明するために導入された男はエキセントリックに過ぎる造形です。が、事件を手短に説明するためには必要だということはよくわかります。序盤で「18歳の日本人女性」と彼女達が云うのも、云いそうにない気がします。もっともオヤジなアタシには説得力はありませんが。

女優の美しさは彼女たちの特質ですが、まるでコスプレなことも含めて、「クラスの中で目立つグループ」に説得力。

アタシに印象的なシーンが後半に二つあります。男子生徒と女子生徒の二人のシーンの絶望と望み。物語の骨子をだめ押しのように見せつけます。男子高校生の造形は荒っぽいのですが、まあ、高校生の男子ってのはこんなものだとも思います。はい。(何年前のことだろう、自分にとっては)。あるいは憧れを告げる女子生徒二人のシーン。興味本位の視点で描かれがちな関係なのだけど、そうではない純粋さがあるってことを忘れてたアタシは汚れてますかそうですか。

終幕の悲鳴は誰に向けられていたものか。ぶれのない描かれ方だと思うのだけど、意外にあれは誰なのかという声が終演後聞こえていたりもします。芝居ばっかり見てる客層以外に幅広くリーチ出来るのは強みなのですが。

空間ゼリーVol.7「ゼリーの空間」
2007.3.3 - 3.11 シアターグリーン エリア171
作 坪田文   演出 深寅芥
出演  斉藤ナツ子 佐藤けいこ 下山夏子 河野真衣 榎本万里子 細田善加 冬月ちき 岡田あがさ(零式)
龍弥(GIG) 相葉健次(GIG) 千葉伸吾

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