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2007.03.26

【芝居】「月葬(げっそう)」ダムダム弾団

2007.3.25 18:00

アタシは初見です。2002年結成の劇団の新作、三本からなるアダルトファンタジー。120分。公演は終了。

隕石衝突で軌道が変わり遠ざかる月が見えるヘカテラという街。弾圧された修道士たちが暮らすこの街では死者を月に送る、という。彫金術の男が死んだ。
(1)「呪縛」流行病(はやりやまい)の恐怖のなか二人組の逃亡者が街に、修道院に現れる。死ぬ寸前の男と連れてきた男。水を欲するが水を与えると死んでしまうという。連れてきた男は修道院の裏、かつての弾圧のあと、キリングフィールドと呼ばれる聖地に興味がある。死にかけている男の指に光る指輪は、修道院の看護士の女にも。
(2)「故郷」サーカス団の楽屋。見世物の「垢男」とそれを見守るダンサーたち。垢男は皮膚が見えないぐらいに厚い垢に覆われた男。水を与えると毒素を吐くのだという。ダンサーの一人は密かに垢男に水を与え、企みを成功させようとする。
(3)「輪廻」死んだ彫金師、一ヶ月経った今でも死神は大声で笑うばかりで連れて行く気配はない。現れた神父は魂の状態の人間を増やしたいといい、キリングフィールドでは流行病を広めていて...

チラシに書かれたのとは相当に違う物語。アダルトファンタジーというかダークファンタジー的な仕上がり。3つのエピソードはゆるやかに繋がってはいるものの、それが大きな世界を描くという力にはなっていません。物語自体も静かに進むシーンが多いこともあって、追いかけるのは相当に大変で、あたかもメモをするかのような気持ちで見ていかないと厳しい感じはあります。

ルポライターと名乗る男を演じた石井壮太郎は安定感があるのと同時に会話する相手との距離を計るような会話に味があります。アイドル、なのだという(不勉強にして知りませんが)久保亜沙香はツンデレ的な造形ですが、見た目にあっている感じ。どもるダンサーを演じた音室亜冊弓はかなり器用に振り幅の多い役を演じますが、どもり、という設定を導入する必要はない気がするのは作家の作業の側でしょうか。

ダムダム弾団「月葬」
2007.3.16 - 3.25 サンモールスタジオ
作・演出 藤森俊介
出演 石井壮太郎 新野彩子 志賀聖子
久保亜沙香 白井小百合 音室亜冊弓
碓井清喜 大石丈太郎 武田力 矢田一路 澤村一博 箕浦倫子 岩瀬友輔 本部祐太 花岡芙喜子

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