【芝居】「おたのしみ」ラックシステム
2007.3.24 19:00
関西、わかぎゑふ率いる関西弁にこだわった2年ぶり新作。120分、28日までスズナリ。
敗戦、帰国してきたのは、乃木印刷という町工場。闇市の男が持ってきた進駐軍のパーティのケーキに描く絵のデザインをしたことをキッカケに仕事が舞い込む絵描き。が、その活躍や絵の巧さゆえに...
終戦もしくは敗戦の1945年(1500円のパンフレット、おしまいの方に年表がついてるのだけど間違ってるし、再開を再会とか細かく間違ってるのはどうなのだ、人のこといえないけど。)を起点に朝鮮特需に沸く5年目までの間の物語。
ラックシステムは勝手に女性視点の物語を紡ぐのだと思いこんでいましたが、今作はちょっと違います。笑いも多いし、ベタなネタもあるのだけれど、昨今の何かを作家が感じ取り、少しイデオロギーを混ぜつつ描くというのはあまりなかった形だと思います。それは単に作家のきまぐれなのかもしれませんし、あるいは何かの怒りの静かな姿なのかもしれません。「お正月」の重厚さや「お願い」の心を強く震わせるような物語というよりは、時代の雰囲気を描く方向に徹しているのです。
「悪人が出てこない芝居を描きたかった」という終演後挨拶(+パンフ)は確かなのです。上が決めた時代の中で目一杯生きている感じ、殺されそうになる絵描きを助けるための奔走はまさにそういう感じがします。
あたしが気持ちを動かされるのは、勘違いからプロポーズになるシーンや、あるいは終戦からたった5年で再び戦地に赴く軍人とそれを見送る女の姿なのです。
ラックシステム「おたのしみ」
2007.3.13 - 3.18 世界館
2007.3.23 - 3.28 ザ・スズナリ
作・演出 わかぎゑふ
出演 朝深大介 野田晋市 生田朗子 わかぎゑふ
千田訓子 上田宏 谷川未佳 米倉 啓
橋田雄一郎 森崎正弘(MousePiece-ree) 前田晃男(南河内万歳一座) 宮川サキ(pinkish!)
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