【芝居】「ふたりが見た景色」play unit - fullfull
2007.3.14 19:30
小さい空間で、客演も多い布陣フルフルの新作。100分、18日までギャラリールデコ5。
沈むような冴えない畳敷きにせんべい布団の部屋。喪服姿の兄弟たちは久しぶり。妻と子供を残しこの部屋で死んだ男が、隠していたものは…
その女と二人で見る景色を大切に思うこと、といえば聞こえはいいけど結局は浮気相手との駆け落ちの部屋。男の生前と死後を重ね合わせながら描く風景。
随分会ってない兄弟たちへの久し振りのアクセスは叶わないのに、現在近くに居る相手には言い出せないこと、という「ねじれ」がある、という視点がアタシ的にはこの芝居の中心。想いの深さと、その言いよどむ感覚はアタシにハマります。
初日は客席設備のトラブルで客席の配置し直しなどあり桟敷席の多い構成だったよう。まあ、お陰であたしは最前列で見られたわけですが、芝居そのものの影響は感じませんでした。
難点が亡いわけではなくて、正直な話、アタシから見ると細かく書き込まれ、し過ぎるぐらいに説明することと、わりと大きい骨格なのにアッサリと扱われて、説明が少ないと感じるバランスは微妙なところがあります。オカルトっぽい色が突然出てきたり、あるいは、悪意や善意が強すぎたり、愛憎のねじれが必ずしも物語に大きく影響しないなど弱い点はある気もします。が、あたしは作家が書こうとしている世界、というより風景が愛おしいのです。勝平ともこ、この「あからさまでない色気」の強さは意外だったり(失礼)します。M.O.P.の前回公演に続き囓る力。太田善也はちょっと卑怯な役ということはありますが、笑いも多くて印象に残ります。菊池美里は強くデフォルメされた役が続きますが、さすがに強い。
play unit - fullfull presents 顔と本質「ふたりが見た景色」
2007.3.14 - 3.18 ギャラリールデコ5(Gallery LE DECO)
作・演出 ヒロセエリ
出演 遠藤友美賀 広瀬喜実子 前里瑛一 勝平ともこ(劇団M.O.P.) 野本光一郎(ONEOR8) 太田善也(散歩道楽) 菊池美里(トリコ劇場) 山本美月(東京タンバリン)
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