【芝居】「僕たちの好きだった革命」KOKAMI@network
2007.3.10 18:00
鴻上尚史の演劇のブランド、KOKAMI@networkの新作。高校での学生運動が現代に蘇るのだけれど、楽しい160分(休憩15分込み)。11日までシアターアプル。そのあと、宮城・山形・愛知・大阪・北海道。
1969年の高校、自由な文化祭を訴える高校生が機動隊が水平に発した催涙弾を受けて意識を失ったまま30年。奇跡的に目を覚ました男は母校への復学を果たす。が、管理が行き届いた高校の中で熱い気持ちを持つ男は煙たがられる。文化祭のクラス企画インディーズのラッパーのコンサートは学校側に禁止される。男は実現のために立ち上がる。
この前みた、早稲田の学生たちに比べるとほぼ倍の年齢の作家。ノスタルジーに過ぎる感じはありますが、楽屋落ちとかエンゲキのルール、客席を巻き込み、あるいは細かなネタを仕込みながら飽きさせないように見せ続け、想いをしっかりと描くのはさすがだなと思うのです。終幕に語られるのは、やはり言葉がいつか人に届いていくということを信じる信念なのです。
素舞台に近い作り、カーテンを左右に流しながら多くの場面をテンポ良く作るのです。
機動隊がこれをワクワクして待っているという設定はつかこうへいにもあった気がします。この世界における「飛龍」はブレイク直前のラッパー。あり得ない奇跡を起こす為に必要だし、「扇動される」気持ちよさがあるのです。
当時の同級生達の内面の想いとの対立が重要な軸なのです。ほろ苦さも含めてノスタルジーだったりはするのですが。
中村雅俊の暑苦しさはキャラクターにあってる気がします。片瀬那奈の立ち姿と言葉がしっかりとしているのが頼もしい。GAKU-MCきっちり盛り上げる。大高洋夫の圧倒的な安定感なのだけど、鼻の頭を真っ赤にして叫ぶ姿というのは初めて見た気がします。菅原大吉は機動隊という姿が実に似合う。澤田育子の「今の教師」はらしい感じ。武藤晃子は細かくいろんなキャラクタが楽しい。長野里美は物語の根幹を支えるところがあって、軽くおちゃらけた役が少ないのは残念だけど、この役は彼女にしか出来ないなぁとも思うのです。
KOKAMI@network「僕たちの好きだった革命」
2007.2.28 - 3.11 シアターアプル
2007.3.14 あさひサンライズホール
2007.3.16 - 3.17 道新ホール
2007.3.19 幕別町百年記念ホール
2007.3.22 山形県民会館
2007.3.23 名取市文化会館
2007.3.28 愛知県勤労会館
2007.3.31 - 4.1 シアタードラマシティ
企画・原案 堤幸彦 作・演出 鴻上尚史
出演 中村雅俊 片瀬那奈 塩谷瞬 大高洋夫 長野里美 森田彩華 GAKU-MC 陰山泰 菅原大吉 田鍋謙一郎 澤田育子 武藤晃子 今村裕次郎 藤榮史哉 栁橋朋典 幸田恵里 田実陽子 渡辺淳 木村悟
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