【芝居】「HONOR」TEAM NACS
2007.3.30 19:00
「水曜どうでしょう」でブレイクして全国区(微妙にサブカル)になっている大泉洋が所属する北海道の劇団。銀河劇場(旧アートスフィア)でのほぼ一ヶ月の公演。120分。日曜日まで東京、そのあと、大阪(ドラマシティ)、札幌(道新ホール)。
太鼓を叩く老人たち。村が合併する最後の日。酔っぱらった男の見た夢のような話。村には昔大きな木があって、その元では会えなくなった人に会えるのだといい...
取れないよなぁと思っていたのだけど、譲ってくれる方が居て初めて見る劇団。北海道からの劇団にイキオイを感じる最近。
太鼓を叩く老人たち、かつての風景、かつて見えたもの、昔の喧嘩。多分3,4世代にわたるような長い時間の話を前半でコンパクトに説明。そのおかげで共有できる背景を全員が持っているような構造。前半こそ着地点が見えずにイラっとする所がありますが、後半は実に味わいのあるいい芝居だとおもうのです。村の合併、出ていく子供達と残らなきゃいけない人々という地方の視点。居なくなってしまった人が見守ってくれるということ。HONERという言葉の持つ「敬意」の想いをベースに、そこから派生するさまざまな言葉、名誉や貞節、あるいは葬儀なんて発想を物語に織り込みつつ進むのです。
終幕、植樹されて作られた森の中での静かな会話がアタシは好きです。オーロラを「偽造」するために、スモークを焚き、水から光を当てる先は上の方に張ったポリビニル。その後の静かな会話の時もポリビニルはそのまま残っているのですが、静かに風にあたり、かさかさと音がします。その音は葉が擦れる音ににていて、ほぼ何もない舞台の上に木が見える気がするのです。
正直な話、銀河劇場の規模に対して5人だけで埋めるのは厳しいと思う瞬間もあります。TOPSから本多ぐらいの規模ならばもっと素敵でしょう。が、上のビニルの工夫にしても空間を埋めることに対してちゃんと向き合っているし、テレビの人の人気にただ乗っからないように真摯なのです。
TEAM NACS「HONOR〜守り続けた痛みと共に」
2007.3.9 - 4.1 天王洲銀河劇場
2007.4.6 - 4.15 シアタードラマシティ
2007.4.26 - 5.13 道新ホール
作・演出 森崎博之
出演 森崎博之 安田顕 佐藤重幸 大泉洋 音尾琢真
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