【芝居】「絵空事を描いた父」壺会
2007.2.17 19:00
三人の女性の劇団、壺会の新作。静かに終焉に向かうファンタジー風。100分、19日まで王子小劇場。
静かで平和、しかし愛するがゆえに獣や鳥、人魚や刺青女という醜い娘を造り、閉じ込める父。自由を求めて父を殺し、外へ出る。
階段状に積み上げた舞台。手前側に現実、向こう側にファンタジー的な領域の原則。動きは少なく、むしろ動かさないようにしている感じすらします。力のある女優を封印しているような。
父と娘たちだけの平和な世界。が、父は殺されて登場しません。平和がゆえに泣く方法を知らない娘たちという属性は面白い感じがします。死を理解出来ないまま、泣き方もわからない、それが自分たちにゆっくりと迫っていく時間は徐々に緩やかに、静かです。たった一人現実の世界の人間の造形は少し浮いた感じになってしまうのですが、苦労するところ。ファンタジー側の双子、とくに内海詩野は安定した力を見せます。
人魚姉妹の早い台詞を例外としてまるで詩を読むような静かに流れる全体。女たちの間合いの会話。様々な要素がありますが、物語自体は殆ど動かない空間では、アタシは舞台との向き合い方に戸惑うのです。
壺会「絵空事を描いた」
2007.2.16 - 2.19 王子小劇場
作 高橋朋子 演出 壺会
出演 高橋朋子 内海詩野 川島めぐみ 矢野明日香(ぷろだくしょんバオバブ) 袴塚真実(サルとピストル) 只腰由利子 中村麗香(DMF)
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