【芝居】「肖像 オフィーリア」Ort-d.d
2007.2.3 19:00
東京国際芸術祭のオープニング企画。重要文化財の自由学園明日(みょうにち)館講堂という希な場所が魅力。膨大な引用をコラージュして少女と時代と死を描くのだとか。可能ならば引用の予習を。100分。4日まで。
当日パンフによれば、二つの物語。一つは太宰治「新ハムレット」を中心としたハムレットの登場人物達のストーリー。もう一つは太宰治「女生徒」、如月小春「DOLL」を組み合わせたミッションスクールの物語。他にも、夏目漱石「草枕」、志賀直哉「クローディアスの日記」、太宰治「待つ」などからのコラージュになっています。
引用とコラージュという構成は、元のモノをあるていど文脈を含めて知っているかどうかで面白さが随分違う気がします。あたしはこの手の小説はすっぽりと抜け落ちていて、そのコラージュを見せられても部分部分は面白くても一本の物語として感じ取ることが出来ませんでした。アタシの教養不足が露呈。もっとも、上記公演リンクから辿れるプレスリリースや、インタビューなどにはくどいほどコラージュ構成であり、参考テキストが挙げられているわけで(で、結構青空文庫で読めるわけで)、作る側も意識的に事前に伝えようとはしていてその点では誠実です。もいちど予習してから雪辱戦を、と思ってもアトノマツリなわけですが。
女生徒が傘を持って出て嬉しく思う気持ちやら、駅で誰とはなしに待ってしまう女の話(待つ)などのコラージュがアタシは好きです。適度な、かしましさや艶めかしさもあって楽しめます。もっともテキスト自体は引用だと思うのですが。俳優の力に圧倒されるという点では、山の手事情社の三村聡や元・山の手事情社の村上哲也はぬきんでている気がします。
自由学園明日館という場所は重要文化財で、フランク・ロイド・ライトの設計でここを見ること自体も価値は歩きがします。(見学は随時可能なようですが。)確かに魅力的な空気感を持っている場所で、この場所で少女の話を上演するというのはいい企画です。
Ort-d.d「肖像 オフィーリア」
2007.2.1 - 2.4 自由学園 明日館講堂
構成・演出 倉迫康史
出演 市川梢 岡田宗介 三橋麻子 村上哲也 三村聡(山の手事情社) 杉村誠子 小田さやか 平佐喜子 山田裕子(第七劇場) 綾田將一(reset-N) 小林紀貴 凪景介 浅野葉子 金子由菜 住吉梨紗 森久智代 渡辺麻依
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