CoRichがほぼ2ヶ月。
「CoRich舞台芸術!」βがスタートして2ヶ月が経ちました。(2007.2.12追記)
アタシは結構楽しんで使っていますが、「使うシチュエーションがわからない」「感想を登録するのが結構面倒」なんて声なき声も聞こえてきたりします。たしかに、引き合いに出される「えんげきのぺーじ」の一行レビューに比べるとシステムが高度な分だけ、使いかたがわからなかったり、妙に重かったり、感想を書くのに手間がかかったりします。
だから駄目だというのは早急に過ぎます。まだたった2ヶ月ですし、頻繁にシステムを見直し改善しているようですから、ほんとうに期待しています。肩を並べられるレベルのシステムは他にないのも事実です。
期待感を持っているのはアタシだけではないと思います。たとえば、 この方の分析は的確で、サイトの特性をよく解説してらっしゃいます。
決まったフォーマットで検索可能な形のデータを、なるべく手間をかけずに集めていこうという考え方はまったく正しいと思います。掲示板で長々と企画書のあおり文句みたいな公演案内を読ませられると、行く気も失せるというものですが、CoRichの方がスマートです。また、ぴあやe+のチケットを売るためのシステムと違って、公演が終わってもちゃんと情報が残り続けるというのも、演劇のためのサイトとしては圧倒的に正しい。
彼らが考えている使われ方はこうじゃないかと思うのです。
「検索」をインタフェースのベースに置いて構成をしている気がします。真意はわかりませんが。公演をブラウズするのが少々慣れないと戸惑う感じ。そのため、公演情報を登録するのは、慣れないとちょっと大変で、敷居を高くしてる気がします。公演を登録するためには劇団が登録されていなければいけないのだけど、劇団を登録してからその劇団の公演を登録するにもいちいちトップに戻って改めて劇団を探さなければいけません。ここの流れがわかりにくい気がします。
それでも、少々ユーザに手間をかけさせても、きちんと検索可能な様式で入力させるべきだともアタシは思います。ここをちゃんとやっておけば、将来にわたって必ず効いてきます。だからこそ、特に公演情報の情報は続けられるべきで、公演する側は少々面倒でも今やっておくべきだろう思います。
団体も公演情報も、事務局が登録しているモノが多いのです。が、公演情報を公演する側が登録するということを加速しなければ、廻っていかなくなるのは目に見えています。だから、100万円もの賞金を投じてCoRich演劇祭をやってでも、「公演する側」の認知を上げ、登録数を増やすということをしています。システムの特性をきちんと分析した結果なのでしょう。これも正しい。
公演する側の情報は少々面倒でも続けられるべきです。一方で、観る側からすると、トップページで何をすればいいのかがわかりにくい。これはデータさえ蓄積されていれば、あとから改善してもいいところですが、サイトの顔になりますから使い勝手を左右します。
1月下旬のリニューアルで、検索の窓、新着の公演情報(5つ)、観劇前の口コミ、観劇後の口コミ、新着の団体登録(5つ)、チケットプレゼント情報、というあたりが表示されるようになりました。チラシグラフィックを多用した画面構成は確かに華やかですが、あらゆる情報がトップ5つしか表示されないために、なんか情報が薄い感じがしてしまうのが勿体ないのです。注目メンバーとか、本当にトップに必要なのだろうかと思うのです。
「えんげきのぺーじ」では直近の書き込み40件ですから、何が表示されているのかもすぐ理解できるし、一覧感もあってシンプルでわかいりやすい。CoRichではトップにある情報の「観たい」「観てきた」はそれぞれ5件しかないのに、2ちゃんねる方式で書いたモノが上がってくる構成なので、ずっと先の公演も、もう終わった公演も順序がバラバラになるので、理解しずらいのです。
公演をこれから観ようという人にとっては、今週なり今日上演中の芝居なりが一覧で(ぴあ、e+のサイト、あるいはシアターガイドの上演時間情報ページのような、1ページ内に数十件の一覧性で表示してくれるフォーマットが最初にあるといいなぁと思います。そこから公演名をクリックすると公演情報ページに飛ぶ感じで。
たとえば、アタシがデザインするなら(できませんけど)、こんな感じかなぁ。
- トップページは左右2ペインの構成。左側がメイン、右側がサイドバー。ウィンドウの幅は800pixで最適化するが、広ければメインのペインを広げる。
- メインの一番上は検索窓。(現状の検索窓でもいいと思います。口コミ切り替えよりは日付ボタンのほうが優先順位高いと個人的には思いますが。
- その下には、「今日の公演一覧」。今日公演中の公演名20〜40件。公演名順、劇団名順、初日が早い順、楽日が近い日順に切り替えられるようにする。公演名をクリックすると詳細の口コミへ。40件を超える場合は複数ページに展開し、リンクで移れるようにする。今日の公演一覧のタイトルの上か下に「昨日の公演一覧」「明日の公演一覧」「今週の公演一覧」「来週の公演一覧」のリンクボタン。
- その下に、新着公演、新着団体が5件ずつ。もっと見るボタンも必要。
- 右サイドバーは、「注目公演」3件、「注目団体」3件、「カテゴリー」「満足度ランキング」「トラックバック一覧」など、ナビゲーション系の操作。
本当にCoRichには期待しているのです。演ずる側はパブリケーションの一環として、シアターガイド編集部に売り込みに行くのと同じように、ここに公演情報を詳細に載せる。観る側はその情報をブラウズし、期待や感想を簡単に書いていく。このエコシステムが演劇の世界でそれなりに廻っている例を他に知りません。情報が集積されたときの強みは続けていけば必ずありますから、ぜったいに続けて欲しいのです。
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コメント
こんにちわ、お久しぶりです。
話題のCoRich、「暫くは様子見だな」と思っているうちに、早や2ケ月が経過して、既に乗り遅れた感(笑)があります。
「観たい」書き込みをさせる意図がよくわからなくて、
「観たい」-「観てきた」を一対一対応させる(達成率計算?)ためだけなのかと思っていたので、
かわひ_さんの、
・劇団の人が劇団情報を書き込み、公演の前には公演情報を書き込む。観客じゃなくて、作り手側が書くことがポイント。
・観客は、観たいと思っている公演を心に決めたら、検索して「観たい」に書き込む。
という解説で、なるほどぉ~と納得はしたものの、
チケプレコーナーの「『観たい』に公開登録していただければ幸いです」
という劇団側のフレーズには、若干の引っ掛かりを覚えるものです。
提供側の当然の権利(入場無料の交換条件)としては認めますけれど、
観客を前宣伝に利用するという目的があからさまなところがちょっとイヤなことと、
(他の方はどうだかわかりませんが、私の場合)チケプレ応募は、初めて観る団体に限っており、
良し悪しの判断は観てからしかできない、積極的に観たい、期待している、ということとは違うので、
「観たい」じゃないんだなー、と応募自体を躊躇してしまいます。
敢えて言えば、「タダなら一回観てみたい」になりますが、
お試し(初回)が良かったなら、次からは正規料金を払って見に行く「お得意様」に移行するわけで、
それが「チケプレ放出の元手回収」になる、それで充分だ、とは考えていただけないのかなと思うのです。
「あくまで一観客」として、義理人情無しで楽しみたいという考えから、
公演に関わる人たちと個人的な接触を持たないようにしているので、
私にとって「観たい」書き込みをするということは、かなり本気の応援モードのときに限られます。
メンバー登録だけはしてありますが、いつになったら書き込みする気になるのやら。
投稿: 熊上 | 2007.02.09 02:43
熊上さん、コメントありがとございます。
チケプレの考え方はパブリシティと捕らえるなら、「観たい!」に登録してくれというのも頷けますけどね。
正直に、CoRichのコメント欄に「チケプレに当たった。初めて見るけど、書いてくれと言われたから、(多少の期待感を持って)書く」ってのをやっちゃうのはどうですかね、
投稿: かわひ_ | 2007.02.24 00:23