【芝居】「饑餓陣営」横濱リーディングコレクションAプロ
2007.2.21 19:00
三回目を迎える横浜・相鉄本多劇場のリーディング公演。皆勤の椎名泉水(studio salt)演出は、食べることにこだわる彼女らしい、しかし笑いも一杯の40分弱。時間が短いので前売り予約やセット券を活用するのをオススメ。24日夜、25日昼まで。
戦場で空腹の兵隊たち、将軍の胸に下がるお菓子の勲章を食べるために...(青空文庫)
宮沢賢治の戯曲。農学校の教師だったころ、演劇・音楽・ダンスを取り混ぜながら、農家から来ている生徒たちの発表用として書き下ろされたといいます。序盤は空腹、次に腹を満たす企み。後半はなぜかその将軍が体操を通して農業の技術を手ほどきし、収穫を得るという流れ。彼らの生きていた時代・場所から生まれたということが納得できる戯曲。
実際の所、「果樹整枝法(という音)」とか「エーベンタール」とか「カンデラーブル」という単語を聞いてもそれが何を表すかはわかりません。が、その音の楽しさは歴史の中でも読み継がれる作家の強み。
慣れた演出家が選んだのは、言動分離と、原作では12人の兵士達を半分に圧縮しながら楽しい舞台にするという方法。右へ左へ音が動いたり(展覧会の絵、というシンセサイザーの名曲を思い出しますが)、パーカッションの音が印象的だったり、役者が食べるということの生理を舞台に載せる面白さ。時間も短く、子供(初日では二人ぐらいいました)もおとなしく、楽んでいたようです。
初日の客席はほぼ満員。横濱リーディングはどうしても、身体表現の演出に寄りがちなので、楽しめる舞台は貴重な色なのだと思います。この長さならば、どこか隙間でもう一本見たいと思うのは、演劇ジャンキーだからですかそうですか。
横濱リーディングコレクション#2・Aプロ「飢餓陣営」
2007.2.21 - 2.25 横浜相鉄本多劇場
作 宮沢賢治 演出 椎名泉水
出演 武田至教 麻生0児 増田知也 高野ユウジ 東享司 木下智巳 松本・F・ 光生
パーカッション:栗木健
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