【芝居】「TRASHMASTERSOUL」TRASHMASTERS
2007.1.14 14:00
アタシは初見です。駅前劇場の規模からは考えられない装置に驚きます。180分。22日まで。
近い未来。所得格差、在日外国人などが拡大。ホームレスが集中する地域で暮らす男たちは戸籍の売買を企むが失敗に終わる。…
大きく3つのパート。約10年ずつの間をあけ、ジェットコースターのようにめまぐるしく変わる経済状況を描きながら、まったく違う場所を舞台に出現させています。幕間の時間がやけに説明臭く長いのには少々辟易するものの、これだけのことをやってのけるのは、ホントにびっくりします。こういう驚きだって芝居の醍醐味。
外国人、少子化など現在の日本が先送りにしてきた問題を全部のみこんで、新たな(良く似た)歴史を芝居の中に未来の話として構築しています。結果、時間が長かったり、転換が大変だったりするのは、見てる側は大変なのですが。(本多劇場なら何の問題もないし、出来る気がする)
政治や格差の問題を枠組みにしながら、二幕目には女たちの恨みがましい光景、というのを同じぐらい重要に取り上げられています。が、アタシにはどうしても、これが女性たち自身の物語にはまったく見えないのです。作家には夕刊スポーツ紙の小説のように、オトコの側の物語にしか興味がない気がしてなりません。(いや、色っぽいことは好きですとも。断じて)。
好みじゃない部分があるとは言え、舞台にこういう濃密さで社会を描き出すという視線は、面白いと思うのです。格差社会を描いた芝居は去年から数あれど、この長編を描ききったいうのはホントに凄いのです。あと何回かは見てみたいと思わせる迫力があるのです。当日パンフはA5サイズ、冊子の形態をしています。判型はともかく、パルコ劇場なら1000円は取ろうという仕上がりを無料で配布してる心意気は買います。
TRASHMASTERS「TRASHMASTERSOUL」
2007.1.13 - 1.22 駅前劇場
作・ 演出 中津留章仁
出演 カゴシマジロー ひわだこういち 吹上タツヒロ 龍坐
ハカセ 清水伸(ふくふくや) 山田(同居人) 吉田羊(東京スウィカ) 川崎初夏 山崎えり
山口友和 祝勇気 永吉将之 三枝俊博 山林真紀子
長田奈麻(ナイロン100℃)
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