【芝居】「ひかりごけ」三条会
2007.1.20 14:30
迫力のある独特な世界なのにテキストをいじらない方法が印象的。三条会では再演重ねる人気演目らしいですが、アタシは劇団初見。60分。21日までザ・スズナリ。
食人の罪で裁かれた実在の男を描いた同名の小説の舞台。山の手事情社による上演でアタシは初めてしりました。極限の状況における食人という究極の選択肢と、ある意味思考停止した糾弾の無邪気さが印象に残るストーリーでした。
教室を模した机、椅子。国語の時間の音読のように「読む」ところから始まる舞台は、やがて役が憑依してまわるように、役が変わったり一役二人になったりと変化していきます。役者の肉体に強く依存したつくりで迫力があります。
「ニセS高原」での「頭おかしい感(誉め言葉ですが)」の笑いは、この題材ではさすがに現れず。学校を模したり、台詞の背後で別の役者が見せる動きに明示されたメッセージを受けとれなかったために、物語と演出が分離してしまったような印象をうけます。後から思えば、無邪気に同調するという「社会」を作る現場が学校だ、という選びかた、という気もしないでもないのですが。
三条会「ひかりごけ」
2007.1.18 - 1.21 ザ・スズナリ
作 武田泰淳 演出 関美能留
出演 大川潤子 榊原毅 舟川晶子 橋口久男 中村岳人 岡野暢
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