【芝居】「くらい」散歩道楽
2007.1.7 14:00
再演企画を完遂した散歩道楽の久しぶりの新作。屈折した青春ドラマ風でもあり見応えあります。100分。10日までサンモールスタジオ。
冴えない小さな地下の漫画喫茶、大晦日のあと正月の朝方。他に行く所もなく居る人々。外国訛りの怪しい男や、ビデオの音がうるさくて苦情受ける男、身内が探しに来ても頑として帰らない女やほぼ住んでる女。小さな恨みは衝動的に事件を引き起こし、静かで小さな店内は…
正月早朝なのに冴えない場所に居る人々。まるでグランド・ホテル形式のようにそれぞれに起こる小さな事件はやがて台風のように一気に熱狂を生み出します。何が起こるか分からない危なさ加減と、屈折した若者たちの「棲み家」でのホンの数時間の出来事が鮮やかなのです。まさか居なくならないだろうという人物があっさり消えてしまうなど物語は自在に、軽やかなのです。
いい話のテイストはしっかり盛り込みながら、作家の底意地悪く人を見る視点は、それぞれの人物のキャラクタにデフォルメされながら結実しています。
オープニングすぐに出てくる「おもてなしダンスユニット〜ダンサーインザダークス」が正月らしく賑やかで楽しい。物語の根幹は若手が担う構成なのだけど、少々突飛なキャラクタであることを差し引いても書き込まれている感じで見応えがあります。キムユスの怪しげな感じ。植木まなぶのキレキャラ。郷志郎の繊細さ。松下ロボの薄目がち表情にちょっと惚れてしまうのです、正月早々。
散歩道楽サンポジウム2007「くらい」
2007.1.5 - 1.10 サンモールスタジオ
作・演出 太田善也
出演 郷志郎 キムユス 植木まなぶ 松下ロボ 谷中田善規 川原万季(以上 散歩道楽)
柿丸美智恵 安東桂吾(マォーティーズインディアン) 中島広隆 飯野さくら 元尾裕介(カムカムミニキーナ)
+ダンスインザダークス
太田善也 辻川幸代(ニュアンサー) 佐野美幸 森脇由紀 中村真季子 柿弘美(メガロザ) 倉本恵理 橋場ふみえ 石川はるか 布施幾子 服部健太郎(タテヨコ企画)
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