【芝居】「江波戸さんちのにぎやかな正月」危婦人
2007.1.7 18:00
去年のアタシ的イチオシ劇団の一つ、危婦人の新作。お正月らしく賑々しく楽しく、家族の話でもありちょっとほろりとしたりも。誰でも楽しめる110分。9日まで駅前劇場。
江波戸(えばと)家の年末と正月。母親が亡くなって初めて迎える正月。三姉妹と父親、親戚と近所の人々。従兄弟の兄は毎年行っている登山に今年は行かず、仕事を辞めた弟は可愛い彼女を連れてくる。近所では不審者出没が話題になる。そんな騒がしい中、叔母が持ってきたのは..
母親が死んでしまって魂が抜けたようになってる父親。娘達は元気だけれども母親の穴は大きい。病気だったという設定でもあり、看病や家族のことで滅私してしまう長女が全体の軸。隣の夫婦や父母の馴れ初めの情熱的な小芝居、忘れられない人への想いを複数見せながらきっちり濃いホームドラマ。
服飾にこだわりのある彼女らしく、着物に乗せる気持ちのシーンが素敵。恋も最近してない感じのしっかりものの長女が、着物をまとい廻り、ちょっと落語風に見せるところがアタシ的な泣きどころ。
駅前劇場に張り出しの舞台、中央から客席入り口までを花道。前半分には枡席(畳敷き座布団席。場所によって見切れあり、オリジナルお菓子+お茶のおみやげ付き)、後ろ半分が指定席。枡席なら下手側奥に台所もあるので、そちらを。マジックスパイスとのコラボや充実の物販など、開演前から賑やかな感じなのです。その場にいるだけで楽しい気持ちになるのは、年末年始暗めの芝居も多い中貴重なのです
05年の連続4回のカフェ公演(未見)をもとにした舞台。うさぎのデイジーを語り部にすることで、この芝居が初見でも簡単に世界に入っていけるようにしています。当日パンフに年表を載せ、その時間軸の位置を見せるというのはシリーズモノを作るのには巧い方法。こういう細やかさが彼女たちの魅力なのです。マジメで重い芝居が嫌いなワケじゃありませんが、正月だもの。客が求める物語ってのも確かにあるはずで、それに彼女たちはしっかり応えてくれるのです。
危婦人「江波戸さんちのにぎやかな正月」
2007.1.6 - 1.9 駅前劇場
作・演出 スギタクミ
出演 ザンヨウコ キキコロモ ヤビマーヤ ハルテロコ
今林久弥(双数姉妹) 代田正彦(北区つかこうへい劇団) 夏目慎也(東京デスロック) 藤崎成益(タテヨコ企画) 加藤敦(ホチキス)
岩森康子 ちんず(無双劇場) 菊池美里(トリコ劇場)
加藤弘子
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