【芝居】「ロープ」NODA MAP(2回目)
2007.1.12 19:00
去年末に一回目。かなり否定的に感じ取りました。年をまたいでの二回目は、アタシが慣れたのか、演出か何かが変わったのかはわかりませんが、少しやわらかな感じになっているようにも思います。ヘヴィな題材をそのまま載せている、という印象は変わりませんが。
客席の笑いが少ないというのもあまりかわりません。それよりは、芝居では通常行われないほどに、イデオロギーを強く主張しているのだと感じます。今のこの国の立ち方や振る舞いに危なさを感じ取って、こういう風にストレートに表現「せずにはおれない」という、作家の強い憤りを感じるのです。
噂で聞くと、作家はそもそもプロレスが嫌いなのだと云います。その枠組みを使いながら、もっとも嫌悪すべき題材を妥協なく書き上げているのです。
初めて見たときは延々と続く実況とあまりにも悲惨なシーン「だけ」が強烈に印象に残ってしまったのです。が、少しは落ち着いてみられた今回は、悲惨なシーンを軸としながらも終幕近くの僅かな光明のシーン、あるいは、「外側で眺めて」いるだけで物見遊山になっている観客という名のアタシ自身、「伝えるという大義名分で何をしても許されると思っている」マスコミなど、刃先をあちこちに向けている感じがするのです。そして、アタシ自身もその刃の先に居るということに気づいてしまって、戦慄するのです。
NODA MAP「ロープ」
2006.12.5 - 2007.1.31Bukamuraシアターコクーン
作・演出 野田秀樹
出演 宮沢りえ 藤原竜也
渡辺えり子 宇梶剛士 橋本じゅん 野田秀樹
三宅弘城 中村まこと 明星真由美 明樂哲典 AKIRA 松村武
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