【芝居】「パレード・フロム・H〜 2007」JAM BAL JAN JAN パイレート
200701131400
JBJJ版ハメルンの笛吹き男、と題した再演作。アタシは初見。吉祥寺シアターで14日昼まで、僅か3ステージ。105分。
ハメルンの笛吹き男、クローン羊・ドリーをモチーフにした軸の物語に、様々にコミカルさ。断片をコラージュしている感じで、作家の中では繋がっていても、観客はなかなかその繋がりを実感出来ない感じはします。もっとも、それは今作には限らない話で、物語を追っかけようとしないのが吉。
吉祥寺シアターのタッパの高さを生かした装置や、演出の美しさは、今までになくパワーアップ。段取りも多いのだけど不安がない仕上がりも合わせて、実に美しい舞台になっています。終盤近くのパレードのシーンの美しさは特筆もので、この空間と照明の賜物。 あるいは序盤の羊たちの衣装の可愛らしさ、ピーチと名付けられた(台詞は少々やさぐれた)破れ衣装と短いダンスの美しさ。
二つのモチーフの間にうっすらと感じとれる繋がりは、生死の匂い。クローン羊と、消えた子供たちと。作家はそれを様々に描くけれど、何かの解釈を示してはいないし、その気もない気がします。が、それが問題ではない気もします。
ボヤキや突っ込みの言葉が実に面白いのだけれど、言葉が伝わらないことが相対的に大きな問題になってしまっている気はします。ホントに惜しい。この芝居のテキストの味を表現出来る役者はそう多くない気もしますが、スーツ男や主婦たちのシーンだけでも抜き出したテキストを色んな役者で見てみたいと心底思うのです。テキストの断片だけでも、どっかで読めるようになってるといいなあと思う、のだけど。
JAM BAL JAN JAN パイレート「パレード・フロム・H〜 2007」
2007.1.13 - 1.14
作・演出 清水エリナ
出演 metan 谷塚光枝 櫻井冬子 春木香織 清水エリナ
鈴木晶子 四宮真理 真由美 遠藤陽子 船本彩乃 飯島あすか
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