【芝居】「あらかじめ失われた広場」メトロポリスプロジェクト18
200701211600
300本二人芝居企画のvol.18。20分ほどを5本。全体で約110分。ストアハウスでの公演は終了。
◆道端で目を見てぴったりの言葉をプレゼントする商売の男と、強制されてもいないのに空き缶広いのボランティアをする女子高生。目を見るが、ここに存在しないよう。彼女は授業中の肉体を残して幽体離脱してきたという「まばゆさがここにある、捨てたものではない」(106話)。◆骨折姿の男の家に突然来た男、刑事だといい、昨日の事故の治療をした医者が殺人されたと告げて「夜の訪問者」(107話)。◆一人暮らしのバツイチの女の部屋、飼われている犬。女は彼氏からの突然のプロポーズに戸惑い、独り言のように犬に相談する。週末婚を提案されて「ダビンチ」(108話)。◆医者の殺人事件を調べる刑事は困り果てて揺り椅子に座る女子高生に相談を持ちかける。明晰に事件を解決し「霊安室の遺体」(109話)。◆市役所の「すぐやる課」の男と友人。役所の中庭で災害用土嚢を作る作業。ギックリ腰で倒れて動けなくなる二人の頭上で飛び回る「スズメバチ」(110話)
106話は見た目はイマドキの女子高生なんだけど、幽体離脱で生まれた時間をボランティア、というのが確かに「まばゆくて」いい話になっています。これ好きだなぁ。109話はこの女子高生を使って、「ケータイ刑事」を彷彿とさせる感じに。もっとも、謎解きの部分が刑事と女子高生の二人だけの会話で進むことになってしまって、そんなに面白くなかったりするのはこの形式を取る以上は仕方のないことだったりするのですが。107話はその事件の導入的な役割を持っているのと、「警察が市民の情報をホントに沢山握ってる」ことの恐怖が見え隠れ。
108話はvol19の114話とリンクしますが、一人語りの一つの形式にできて応用範囲が広そう。
110話はぎっくり腰で動けない二人が大汗かいてる、動けないのにドタバタ風味のコメディとして普通に面白くて。「すぐやる課の職員」が、この「なんでもすぐやること」にただならぬ情熱を持っている、ということは過去のメトロポリスプロジェクトの話の中でも語られていてスパイスになってるのですが、それを知らなくてもぎっくり腰から気合いだけで復活してしまうというイキオイの面白さ。
今年はやる気満々のようで、5月にvol.20+21、9月にvol.22+23+再演2本という予定とのこと。今回は二本立てを5ステージずつ、わずか5日間でコマ不足に悩みましたが、次回5月は2週末、9月は一ヶ月近くの公演とのことで、ちょっと嬉しい。
10x50 KINGDOM「あらかじめ失われた広場〜メトロポリスプロジェクト18」
2007.1.17 - 1.21 ストアハウス
作・演出 じんのひろあき
出演 藤村一成 鈴木オルガ 中山浩 岡本広毅 野中希 蓬莱大介 坪井一広
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