【芝居】「ゴッド・セーブ・ザ・クイーン」贅(プレビュー)
2006.12.16 15:00
1月に旗揚げする「贅」のユニットとしてのプレビュー公演。本公演は別の書き下ろしなのだとか。50分。完全予約制で17日まで劇場MOMO稽古場。
マンションの屋上から投身自殺をはかる女。現れる二人の男は自殺は止めさせるが、別の提案で思いを遂げればよいと言い出して…
イキウメの番外公演で公演した短編をテキストに。(といいつつ、記憶はばっさり落ちてましたが。友人に指摘されて思い出した。感謝)
ねたばれかも
前半はテーブルを囲み、台本に目を落とし本読み風。後半はさしずめ、立稽古風に進みますが、ところどころにアドリブ風の「オカズ」が挟まります。ジャズのセッションのような、役者のアドリブに任された舞台かと思っていたのです。戯曲が役者によって肉付けされるというか。
が、しばらく経つと下手側に待っていた役者がスタッフ(実は役者)を呼び、何やら指示をすると、そのスタッフが役に割って入ります。飛び降りる役の一人に取って代わってしまう趣向。
台本を手にしていて、しかも役者だとはいえ、終幕まで居続けても成立してしまうのを目にして、これが東京デスロックと同様、全てが仕組まれて役者と役の数を不一致させるよう演出されているのだと思ってしまうのです。稽古場、プレビューらしい場さえも完全に作り物として作り出しているのではないかとさえ思うのです。その試み自体は悪いことでも何でもないのですが、フリーセッションだと勝手に思いこんでいたアタシは少しばかり戸惑います。
その不一致を作り出しても、それが芝居に何かの解釈をしているわけではなくて、その瞬間の可笑しさになってるのは、悪くいえばやりっぱなしになってしまって勿体無い気もします。役者の力は存分にあって、そのガチンコが面白さなのではないかと思うのだけど、それがもしかしたら全て作られているのでは、ということに拘ってしまうアタシなのです。作品としてではなくユニットとしてのプレビューですから、彼らが何をしたいか、ということを見せて欲しい。参加してるメンバーが自分の劇団でやっているのと同じ手法でやるならば、独立したレーベルにする意味を持ってほしい、と思うのです。
とはいえ、かなり大笑いしました。期待のレベルは軽く超えているし、無料だってことを考えるとたいしたものです。本公演楽しみにしてる自分に気づいたりもします。
贅「ゴッド・セーブ・ザ・クイーン」
2006.12.15 - 12.17 劇場MOMO稽古場
作 前川知大
出演 板垣雄亮(殿様ランチ) 岩井秀人(ハイバイ) 瀧川英次(七里ヶ浜オールスターズ) 多田淳之介(東京デスロック)
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