【芝居】「少年ラヂオ」キャラメルボックス
2006.12.23 19:00
キャラメルのクリスマス公演も終盤。120分。25日までサンシャイン劇場。前売り完売ですが当日券もあるとか。
プレビュー以来ほぼ一ヶ月ぶり。開演前にはプレビューにはなかった(あたりまえ)DJがあったりしてちゃんと盛り上げるのです。
一ヶ月という時間は確実に役者を成長させ、演出を洗練させています。地道に改良した結果、テンポが良くてスパイもの少年向け小説のようないい味わいになっています。
物語に関して前回感じた違和感はそれでも残ります。後半になって「物語が」世界平和に目覚めてしまうあたり。今、この瞬間にこういう要素を芝居に入れておかなければということはよくわかるし、あたしはそっち側の意見に賛成ではあるけれどちょっと唐突な感じも。プレビューの後に聞いたときに作家は軍人が実は馬鹿にされている大正末期の空気、ということを言っていたけれど、あたしの違和感は残ります。
あるいは(意味を二重にしてるとはいえ)「ジェットエンジン」という言葉。今現在のそれと違う根っこで作った(という創作)のなら、違う言葉になりそうな気がするアタシの思いこみ。活劇風に仕上げるなら「新型エンジン」ぐらいに抑えたほうがいい感じもします。(←出しゃばった意見)
主役の畑中智行は精一杯に頑張っても余力があるように見えてしまうのが損してる気はします。脇で小馬鹿にしてるような風体で佇むと絶妙に巧いし、そういう斜に構える感じが浮浪児という役に繋がってるのはよくわかるのです。が、弟や女性への真っ直ぐな思いを背負う役となると、その特性が損になってしまうと感じるのです。
坂口理恵の凄さは今さら言うまでもありません。今作における彼女の凄みは鬼気迫っていて、出てくるだけで(緊張感だけでなく)舞台が締まるというのはこういうことだと思うのです。今年の彼女は本当に凄かった。岡田さつきの余裕もあたしは好き。實川貴美子も印象に残ります。
演劇集団キャラメルボックス2006クリスマスツアー「少年ラヂオ」
2006.11.2 - 11.5 西鉄ホール
2006.11.10 - 11.20 新神戸オリエンタル劇場
2006.11.25 - 12.25 サンシャイン劇場
作 成井豊+隈部雅則 演出 成井豊+白井直
出演 岡田達也 大内厚雄 菅野良一 坂口理恵 岡田さつき 岡内美喜子 畑中智行 温井摩耶 三浦剛 左東広之 青山千洋 實川貴美子
阿部丈二(/多田直人) 阿部祐介(/小多田直樹) 渡邊安理(/小林千恵)
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