【芝居】「恋の渦」ポツドール
2006.12.9 14:30
過激な表現がウリになることの多いポツドールの新作は性表現は抑えめに、恋だのセックスだのを巡る冷静な視線は見応えがあります。135分。10日までTHEATER/TOPS。
お似合いの二人を紹介しようとして女の家でパーティーをする若者たち。遊び仲間のフリーター男たちと、会社が一緒の女たち。なんか期待外れだったり、カップルも微妙な関係だったりするが、2週間ぐらいのうちに…
性表現抑えめとはいっても、そこはポツのこと、ちゃんとある訳ですが、ここまで来ると、セックスは重要なアイテムではあっても直接見せることは必ずしも重要ではない気はします。あまりに自然なのであっても構わないと個人的には思いますが。
あけてびっくりの四部屋セット。同時刻を並行して描くのは携帯電話を多用する構成と相まって効果的。
見た目には言葉も行動も粗雑な男たち。女たちも少々派手め。が、語られることばはやけに真っ直ぐだったり真摯な言葉の投げ合い。が、言葉に反して、やってることは結果的に嘘も多いのに、それを悪びれることはありません。 発している真っ直ぐな言葉の重みを自覚していないからあっさりと翻るし、嘘でも罪悪感になりません。 言葉と行動のこのアンバランスが絶妙で、あたしはリアルを感じるのです。若者は、あげつらうつもりは毛頭なくて、はっとするのです。
粗暴なことばと想い、真剣に思ってるはずなのにあっさりした切り替わりなど、全体を通せば男のほうが少しばかりかわいそうですが、行動には腑におちるものが多くて安心してみていられます。
多重され、小さな声のシーンも多く、最初こそ多少混乱しますが、ちゃんと伝わる物語は大したもの。
ポツドール「恋の渦」
2006.11.29 - 12.10 THEATER/TOPS
作・演出 三浦大輔
出演 米村亮太朗 鷲尾英彰 美館智範 古澤裕介 河西裕介 遠藤留奈 内田慈 白神美央 小島彩乃 小林康浩
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