【芝居】「食卓夜想」風琴工房
2006.12.24 17:00
風琴工房では初めての劇団員だけでの芝居。食をめぐる話を魅力的な役者たちが自由が丘の小さなギャラリーで。60分。毎晩26日までギャラリーサイズ
食卓のある部屋、男を連れ込んだ女、娘と息子が居るが奔放で。いい子だったはずの息子が帰宅、女を連れて、違う姿で。
「ガラスの動物園」をモチーフにしているとは言いながら、当日パンフで作家が云っているとおりもとの物語の枠組みはあまり残っていません。が、たしかに印象は似てる感じがしてしまうのは、父親が不在だったり、息子+娘だったりするためだろうと思うのですが、それにしてもここまで違うのになぜなのだろうと思うのです。
食と家庭をめぐるさまざま。序盤では食欲と性欲が同一になるような不思議な雰囲気で始まります。そこから小さな娘(21歳なのに)がなぜその大きさで成長を止めてしまったのか、なぜその姿で戻ってきたのか、男の趣味の特殊さ、謎の女の生業をたった60分に濃密に詰め込んでいるのです。
かといって早口というわけではありません。小さな会場もあって台詞は明確です。見た目の鮮やかさ、色っぽさに眼を奪われますが、きちんと言葉で紡ぎ出す世界は好きなのです。アタシは繰り返しの演出があんまり好きではないのですが、今作では時間の短さ故か二回目では微妙に短縮版になっているなど観ている側への配慮があります。
円周率の話は検索すればすぐ出てくるネットの噂そのまんまだったりはします。あるいはあるパイの話も知る人ぞ知るようなネタ。断片だけではものがたりではないのだけれどそれを編み上げる確かな力があります。
クリスマスイブだけは開演時間早めでパーティ付きのチケット。案の定、他にすることのないオヤジ(←アタシだ)がぼちぼち。ワインと手料理で楽しんでから、ショータイムを10分弱。総出演の役者達は色っぽく、大笑いさせるテンションが楽しくて嬉しいのです。
風琴工房「食卓夜想」
2006.12.14 - 12.26 自由ヶ丘 ギャラリーサイズ
作・演出 詩森ろば
出演 松岡洋子 山ノ井史 宮嶋美子 笹野鈴々音 浅倉洋介
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