【芝居】「男奉(おとこまつり)」SUPER☆GRAPPLER
2006.12.28 19:30
スタイリッシュ、ボケ倒しが魅力のスパグラの新作。105分。最終日31日にはカウントダウンの企画もあります。サンモールスタジオ。
会社員の若者。仕事も日常もテンション・体温低く。知り合いの女は借金返済のためにキャバ嬢になっていたが、ふとしたはずみで冷たい一言を言ってしまったが為に、彼女は姿を消す。その心の奥底にわだかまったものを抱えて目覚めると、褌姿の男ばかりの村だった。不作の年には一人の男を奉納するしきたりがあり...
大音量でテンションの芝居が身の上。スピード感もあって気楽に楽しめます。スタイリッシュも売りではあるのだけど、今作に限れば、「お好きな方には堪らない」感じの少し特殊なビジュアルではあります。
人を想う気持ちも、自分の生き方の熱さも知らない若者が目覚めていくという骨子。ビジュアルに隠れて見えづらいけれど、ごくシンプルな感じがします。現実と、それとは別の二つの世界を用意して行き来させるという構造は作家の得意な世界の描き方。彼女には世の中がこう見えているのだなぁと、アタシは思うのです。終盤の疾走感も得意とするところで、楽しめます。
友人が云うには現代に戻る終幕で男の衣装がそのまま、というのは事情はわかるけれどちょっと勿体ない。鮮やかに早変わりできればもっとカッコイイのにと思ったり。せめて現代に戻った状態にはしてほしい。あるいはオヤジなアタシとしては女優少なめというのはちょっと悲しいけれどこれは作品の世界ですからねぇ。
見やすく作ろうとしていたり、あるいは開演前の携帯電話・お喋りの抑止を映像を使ってわかりやすくしたり、楽しませようとするホスピタリティの高さは相変わらずでとてもいいのです。演劇慣れしてない客が多いのも悪いことではありませんが、喋り続けたり食べ物の袋を開けることに無頓着な客が毎回居てしまうのは、カンパニーの印象にマイナスです。開演直前に入ってくると映像での注意事項が伝わらないというのは痛し痒しではあります。
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