【芝居】「重力の箱〜2階の新しい子供」あさかめ
2006.11.25 14:00
作演・児玉洋平と女優兼プロデューサー・ヒザイミズキのユニット、あさかめの新作は屋上にラクダののった谷中の名物ギャラリーを四階建てマンションに見立てて三バージョン公演。その二階。70分。来月12日までギャラリーHIGURE17-15cas。
二階にすんでいる男の家に寄った女、職場の上司らしいが、紙を顔の前にかざし続けて顔が見えない。戸惑いながらも男は想いを告げることに成功する。他の住人たちは我がことのように喜ぶが、そのうち相談ごとを持ち込むようになって…
何か漠然とした不安を感じていた女がそれを解消することで何故か祭りあげられてしまう。ビルを徘徊する女にすらちょとしたキッカケで盲信することが「流行」してしまう姿。
全体の作りはコミカルです。起こることが少々唐突だったりもします。がその根本に見える作家の視線は、付和雷同で盲信が生まれる現場を、こんな小さなコミュニティの中に提示してみせます。作家はそれを描いて見せるだけで殊更何かの主張はしていないようです。が、その気持ちわるい場をコンパクトに切り取って見せるのはわかりやすいなあ、と思うのです。
一階部分でお茶サービス付きで待ち。開演五分ぐらい前から、一階住人という設定の「神原さん」の短いシーン。小声で呟くところが多いために、聞こえないところも多いのですが、彼女がどういうキャラクタの設定にしているかということは確かによくわかります。全バージョンで共通のようです。その後二階に移動して開演。座席は当日受付で指定を受けるようになっています。全二作に比べるとどこに座ってもきちんと見えるようになっていますし、段差がどれだけついているか 「+30cm」などと書いてある座席表で非常にわかりやすくて助かります。
日暮里から夕焼けだんだんの「猫だまり」を下り右に曲がった「ラクダのビル」という立地も散歩向きで楽しい一日。
あさかめ3回目公演「重力の箱〜2階の新しい子供」
2006.11.23 - 12.12 ギャラリー HIGURE 17-15 cas
作・演出 児玉洋平
出演 ヒザイミズキ(あさかめ) 増田英敏(ボタタナエラー) 坪井康浩(東京Ne+wS) 椎名剛士 森脇由紀(青年座) 小野寺徳明 勝村美紀
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