【芝居】「パチンコ&ダンス」散歩道楽
2006.10.7 1900
再演企画も終盤の散歩道楽。女性作家の話が好物なアタシの好みにハマります。120分弱、9日(祝)までサンモールスタジオ。
街の小さなダンス教室、来週に発表会を控えた。メインではなく控室というか更衣室なBスタジオ。
起きたら違う人になってたと訴える男。
スタジオに集まりつつある人々。旅から帰ってきたら明るく(下品に)変わった女。更にたくさんの人が来て。
変わりたいけど変われない自分。みっともないけれどそうするしかない自分の姿は自覚していて。それぞれの事情もみんな折り込みつつ、いろんな人の視点を並べるように舞台で見せていくのです。
SF風味のワンアイディアの芝居だと思っていると、単にそれだけでは終わりません。かと思っていると、するすると女性作家な感じになります。
作家は男性、今回の演出も男性なのですが、とても「女性視点」になってると思うのです。(いや、知らないけど、本当のところは)。序盤こそ、オヤジなアタシが喜ぶ麗しいシーンもありますが、中盤からあとは、女性の方が好きだろうなあ、と思います、そしてそれは、(女性作演の芝居をわざわざ選んで観てしまう)あたしが好きな芝居なのです。
かと思うと、勝手に相手のことを追いかけ、相手に負担をかけてしまう(最初から相手にされていない)悲しい男の話が身にしみたりもします。(T_T)
仕事やめちゃおうかなあ、というのは大抵の会社員が数回は考える甘露なのですが、これも変わりたい人話。あれこれ、こんなもがき、を描いていくのです。 駄目なアタシ、を自覚するのは男女問わず。あらすじにしたら、使い古されたような背景だったり、映像なら1分の話にまとめられる気もします。が、2時間弱の芝居を細かく作り込んでいくこの膨大な手間をかける舞台は、あたしゃ好きなのです。
終盤近く、優しく包み込む原扶貴子に泣かされ。ダンナに惚れ込む中村真季子に惚れ、竹原千恵の大人な女性に感心し、川原万季の深さに感嘆し。秋からの散歩道楽は、深みが感じられてきた気がするのです。さあ、あと1本。
散歩道楽 with ベイビーズ・ゲリラ「パチンコ&ダンス」(再演企画・サンポジウム10月公演)
2006.10.6 - 10.9 サンモールスタジオ
作 太田善也 演出 森下雄樹 (ベイビーズ・ゲリラ)
出演 川原万季 竹原千恵 郷志郎 キムユス (散歩道楽)
高松潤(青年座) 原扶貴子(KAKUTA) 國重直也(イキウメ) 中村真紀子 岡崎貴宏(アンティークス) 朝日貴之 黒崎照(青年座) 平田暁子 荻野貴美子 石松太一
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