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2006.10.22

【芝居】「ナツヤスミ語辞典」猫道一家

2006.10.22 14:00

旗揚げ6年目にして初の劇場公演とか。キャラメルボックスの古典、「ナツナスミ語辞典」( (amazon 1, 2) をタイトルにしつつも、終わらない夏休みを巡る全く別のトリビュートに仕上げ、なかなか見せる一本に。120分強。22日夜(18時)まで、東京バビロン。

終業式の日、教師から理不尽なプール清掃と図書整理を命じられた生徒たち。男子生徒の一人が女子生徒から毎年家族で行っている楽しい「地獄旅行」に一緒に行かないかと誘われる。突如現れた大穴に入っていく二人は…
学校の授業と制度にどうしても馴染めず登校拒否している女の子、ウサギ姿の男が友達になってくれるといい、彼女の悩みを聞いてくれるといい…

ずっと夏なのに夏休みがない、全てが永続する別の世界を「地獄」と描き、夏休みはあるこの世界を「天国」と呼ぶ枠組み。 しかし天国には夏休みも含めすべての事には終わりがあると描き、明日が今日より良くなるか悪くなるかはわからないのです。それは地獄よりも更に悪い場所なのだと住人はいい、無限に続くことの絶望を見せるのです。

終わらないで済むことを自分の手で終わらせてはいけない、が全てには終わりがあるという原作の、ホンの一滴のエッセンスは同じ。が、本作が描くのは続いてしまう絶望であり、表裏の関係で同じことを描いてる意味で、トリビュートなのだとアタシは思います。

こんな陰鬱になりかねない話を、単に重苦しいものにはせず、笑いを交えた軽やかさを持った話にしています。女子高生を演じたハマカワフミエの見てくれのキュートさはともかく、鋭く冷ややかな表情に魅力。メガネ女子的な役を演じた鈴木麻美は激しいテンション差が、今更嘘臭い「革命」なる言葉に説得力を持たせます。つか芝居が入ったり、アングラっぽかったりもして、どんなバックグランドかはわかりませんが、男優たちにもそれぞれ凄みのある芝居があったりして芝居を見続けさせます。

猫道一家「ナツヤスミ語辞典」
2006.10.21 - 10.22 シアター・バビロンの流れのほとりにて(東京バビロン)
原作 成井豊  構成・演出 猫道
出演 福原冠(活劇工房) ハマカワフミエ(活劇工房) 高田翔一郎(ライアン相撲) 岩藤一成(怪奇ヒューマン人間) 郷家まさゆき(劇団SAR) 豊田梓 鈴木麻美(Human b.) 危村武志(巌鉄) 三輪真弓(猫道一家) 待村朋子(國學院劇研) 竹内良仁 西入美咲(石神井童貞少年団) 松尾芭蕉 吉田ミサイル(吉田ミサイルの世界)

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コメント

【誤】ハマカワフミ
【正】ハマカワフミエ

もー、たまりません。

投稿: おくむら | 2006.10.23 12:02

おくむらさま:
ご指摘感謝です。本文の方は直しましたです。
今週もご出演ですよね、彼女。

投稿: かわひ_ | 2006.11.07 00:37

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