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2006.10.10

【芝居】「無外流・津川吾郎」ハイバイ

200610091900

プレビュー公演とは細かい調整をしつつも、殆ど話は変えていません。好みは分かれるでしょう。これが三ヶ月前に出来ていたというのは凄いのです。90分。15日まで、ギャラリールデコ5。

退職した老人が知り合った津川は、無外流の使い手で、それに心酔して。息子とはしっくりいかない。連れられて行った若者向けの店での若い娘を助けなければと思い。
ある日、家に侵入してきた男が…

息子は父親が何かに負けてしまう瞬間を目撃するものなのかもしれません。この文脈では相当に愛を描いた話なのです。

反面、アタシがプレビューで腹を立てた障害者の下りや、駄目なだけの老人など悪意も相当なものです。

愛の話と悪意のこと、どちらに作家の興味はあるのか、この分析自体、友人の受け売りですが、アタシもまだわかりません。

腹を立てたあたりは、そうでもなく感じたのは二回目だからか、注意深くそぎ落としたからか、そのあたりもわからないのですが。

悪意のある芝居とは裏腹に、制作がしっかりしているという気がします。ルデコ5のトイレの構造は女性には厳しいのだけど、それを出来る限り不快にしない工夫や、エレベータより狭そうなロビーに溢れる客をちゃんと捌くノウハウや、開場時に客がつまずきそうな床置きのライトの上に椅子をかぶせておいて当たらないようにする(で、開演直前にどけて、終演後は速やかにまた椅子を乗せる)などの細やかさはこの規模の公演の制作としては特筆に値すると思うのです。

ハイバイ「無外流、津川吾郎」
2006.10.5 - 10.15 ギャラリー ルデコ5
作・演出 岩井秀人
出演 金子岳憲 用松亮 三浦俊輔 永井若葉 チャン・リーメイ 松本裕亮 浜田信也(イキウメ) 今井勝法(幹生) 北村延子(蜻蛉玉) 田中伸一(開店花火)

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コメント

はじめまして、らーらと申します。
いつも自分の観劇の参考にさせていただいています。
今回、ハイバイ初めて観に行きました。
舞台の面白さとは全く別の話なのですが、自分が観た回は(たまたまかもしれませんが)あんなに座席数が少ないのに「関係者席」と称した招待客の為の席を多めにとっていて正直良い気分ではなかったです。
他にもああいった小さな劇団ではそういうものなのかもしれないのですが、アフタートークの後に退席したいコチラ一般客の都合とは関係なく身内と思われる客や招待客とあちこちで話していて退出し難く非常に邪魔でした(苦笑)
小さな劇団のああいった様子を間近に観るたび、お金を払って入る自分が馬鹿らしい気がしてちょっと嫌になります。
ハイバイは指摘されている通り、客入れなどに気を配っていて対応もとても良かっただけに余計に残念に感じてしまいました。

投稿: らーら | 2006.10.11 00:38

らーらさん、コメントありがとございます。

「関係者席」ってやつの扱いは難しいですよね。金払ってる側からするとあれはなんだ、って思っちゃうし、思いがけずそんな席もらえたりするとラッキーと思ったりするし(滅多にありませんが)。

劇団の規模が小さい頃はやはり知り合い客ってのが支えてるのは厳然たる事実ですが、それを一般客からさり気なく見えなくしておくというのは、口で言うのは簡単ですけど、難しいものなんでしょうかね。

投稿: かわひ_ | 2006.10.12 00:26

らーらさん、かわひ_さん。
公演をやる側の意見ですが。

小さな劇団で「関係者席」と沢山貼ってあるのは、わたしが自分で出ていた公演で言えば、「お客さんに奥から詰めて座っていただくために、入り口付近や通路横の席に座らせないようにする」という用途でした。小さな場所では、お客さまが来た順に好きな席に座ってしまうと、後から来たお客さまが空いてる席に座るのがとても大変になってしまうからです。なので、混んできたら紙を外して普通にお客様を座らせます。
それでも、そういう事情がわかっている私でも、沢山とってある「関係者席」は気分悪いです。私は出口付近に座りたいのに、私より遅く来る人のためにとっておくなんて・・・。
それに終演後の知り合いトークは確かに邪魔ですよね。。私もやっているので気をつけたいと思います。というか、知り合いじゃないと居づらいというのは大問題ですよね。

★ついでになって申し訳ありませんが、かわひ_さん、HP用のコメントいただきありがとうございました!!
UPいたしましたのでよろしくお願いいたします。
http://asakame.nomaki.jp/

投稿: ヒザイ@あさかめ | 2006.10.18 11:07

ヒザイさん、コメントありがとございます。

確かに関係者席と書いてあるところは席が埋まるとはがして普通の席にするところも多いですよね。ほんとなら好きなところに座りたいものですが、劇場の構造や規模からして手前が埋まってしまうとどうにも後から来た客を入れられないところも多いですね。周囲の環境などの問題から、終演後に客席で面会するざるを得ないところも増えてきました。

でも、関係者、ってのは劇団が育っていくためには必要なものであっても、それはやる側の都合。実は一般の観客からは目立たないようにあるべきなのですよね。関係者の方が幅をきかせてるようだと一般客に感じさせてしまうと、長い目で見るとそれは重要な客を逃しているってことなんですよね。

アタシのみた回に関して云えば、それほど違和感は感じませんでしたが。

投稿: かわひ_ | 2006.10.19 15:25

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