【芝居】「さようなら僕の小さな名声」五反田団
2006.10.28 19:30
前田司郎(amazon 1, 2) の分身のような、「僕」が見ている作家の視点が壮大なのに見た目(劇中にもあるように)チープが魅力。笑ってるうちに遠くに連れて行ってもらえる100分、5日までこまばアゴラ劇場。
戯曲作家の「僕」はホンが書けないダラダラとした日々を送ったり雑誌記者にマイナーゆえにぞんざいに扱われたりする。ある日、彼女がプレゼントをくれるが、それをきっかけに「僕」は旅立たなくてはいけなくなる。彼女はずっと家にいるうち、蛇に呑み込まれていて…
実話ではないと思うものの、作家としての前田司郎が「見えた」世界というか感情が見え隠れ。雑誌記者のくだりとか、なんかモトネタはありそうです。五反田団を見たことがなくても、前田司郎の最近の動向を知ってたほうが笑えそうです。
作家自身が主役ゆえか、随分と大上段に構えた青臭い主張がてらいなく全面に押し出しされた感じがします。「僕は世界を描きたい」というのは、多分本気なのでしょう。もっとも、芝居を見てる最中は爆笑編の連続ですから、この青臭さに違和感があるようなことはありません。
作家が書けないネタというのは安易に使うと酷いことになりがちですが、ここまで笑い飛ばすなら大したものだと思います。布団を敷き詰め、毛布を多用した舞台。ベッドサイド的な少し色のある日シーンにどぎまぎします。 前回から見えてきた、この作家の女性の影は今作で、恋人として見えてきます。(いえ、勝手にそう思ってるだけですが。)
蛇が世界を飲み込む、というのはどこの世界観だったかよく知りませんが、この芝居の中では全体を貫く話になっているのです。作家は世界を描きたい、呑み込みたいという強い想いは確かにそこにあります。
女、の役の出入りが少し変わっています。ちょっと新しい感じがします。単に面白い方法ではあるのですが、この方法が中盤以降に威力を持ちます。
五反田団「さようなら僕の小さな名声」
2006.10.27 - 11.5 こまばアゴラ劇場
作・演出 田村孝裕
出演 前田司郎 安倍健太郎(青年団) 小河原康ニ(青年団) 立蔵葉子(青年団) 坊薗初菜(カムカムミニキーナ) 後藤飛鳥 望月志津子 前田司郎 宮部純子 中川幸子 西田麻耶
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コメント
TBさせて頂きました。カレーが400円なのにハンバーグカレーが1000円。理不尽。あの編集者。いそうです。
投稿: どら | 2006.11.06 09:03