200610291800
「鹿殺し」が主催し、「毛皮族」、「宇宙レコード」をメインに据え、「観音びらき」、「夜更かしの会」、「ミス・ジャパニーズ」という公募からの選抜を加えた6団体によるライブイベント。新横浜BELLSでの2日間公演は終了。
いわゆるライブハウスの体裁の小屋。オールスタンディング、ドリンクあり。メイン3団体は40分、選抜3団体は20分ほどで構成され、それぞれが対バン形式で何かをやるという趣向。ほぼ4時間近くではありますが、団体の間の時間もそれほど長くなくて、だれることなく(少々腰には来ますが)突っ走るのはさすがだと思います。
(1)仏団観音びらき
美輪明宏風の登場から一曲。その後は女優二人が呪いの歌を「淋しい熱帯魚」の曲に乗せて。
(2)ミス・ジャパニーズ(from ラ・サプリメント・ビバ)
ニュース、料理番組、アタック25などテレビ音声をつぎはぎリミックスして、当て振りコント
(3)夜更かしの会
ミニスカ姿のヤクザ抗争物語、スカートの中が見えないか気になって。世界の教科書はNYとかパレスチナとかを織り込んだ会話。N響アワーと題して、画用紙に書いたマリオドット絵を使っての「交響曲・スーパーマリオ」
(3)宇宙レコード
基本的にバンド演奏。オリジナルも混ぜながら。
(4)毛皮族
タッキー&翼曲やオリジナルとりまぜて当て振りなど。なんかamazonで普通にCDとかDVD買えるってのは、エンゲキ界ではあまり例を見ない気もします。
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(5)劇団鹿殺し
銀河鉄道の夜をベースにしながらバンド演奏を物語中に取り込みながら。
「エンゲキのライブ形式イベント」というよりは、「エンゲキの団体がやるコントやライブの取り混ぜイベント」という体裁。対バン形式でライブハウスという制約の中では普通の芝居を仕込むわけにはいきませんから、こうなるものなのでしょう。出場団体もおおむねライブに強いというか、音楽っぽいイベントを仕掛ける団体が多いので、ライブが主体になっています。それぞれの団体や役者に思い入れがあればそれはそれで面白いし、結構きっちり盛り上げていますから、結構楽しめることは楽しめます。もっとも、これが劇団とか役者ってものの何かを表現しているかというと、よくわからないのですが。
コントかライブという方向に流れる団体がほとんどの中、主催した「鹿殺し」が持ってきたのは「銀河鉄道の夜」。短い時間で物語を提示したのは彼らだけで、主催している故かどうか、結果的には作戦勝ちだと思います。これで本公演にある程度は誘導出来るでしょうから、これは巧い。
銀河鉄道、とはいっても、男達はほとんど裸で前貼りと尻尾のついた簡素な出で立ち。
物語自体にも少し手を加えています。
星祭りはライブイベントで、ジョバンニがかつてメインを張っていたポップバンドが、メンバーの目指す方向性の違いからカンパネルラメインのデスメタルっぽいバンドになっていて、ジョバンニは孤独な気持ちになっている、という流れ。銀河ステーションやら鳥を捕る人、ジョバンニのキップなど骨子はちゃんと追いながらも、バンドっぽい音楽と笑いに溢れて楽しめる一本の芝居に仕上げていて、この力量に目を見張るのです。
「観音開き」は恨み言からぱっと露出の多い展開など、持ち味を生かした構成。時間も短いので物語りまでいってないのは勿体ない。「ミス・ジャパニーズ」は、思いつきの面白さ、まあ何処かで見たことある気もしますが、大げさな振りで楽しませます。「夜ふかしの会」はミニスカヤクザという一ネタをあれだけしつこく膨らませ、スーパーマリオネタの思いつきを形にするのは大したものですが、ワンアイディアで引っ張りすぎではないかと思ったりも。「宇宙レコード」は普通のバンドライブですが、ちゃんと聞ける感じになってて、(音楽のことはほとんどわかりませんが)巧いなあと思ったり。「毛皮族」はやはり毛皮族でした。バックダンサーがわりとマトモに踊ってるのがちょっと素敵。
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