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2006.09.10

【芝居】「それは満開の蝶」メトロポリスプロジェクトvol.17

2006.9.9 19:30

300本の二人芝居を通して街の姿を描くプロジェクトの17回公演(101話〜105話)。100分。今回からスタートした、より抜き再演企画(Re-metro←見られないけど)と交互上演で10日までストアハウス。

放課後の教室での漫画と会話#101「速読教室・夜間の部」。老人介護セミナーに来た女性とたまたま隣の男、家族がそうという訳ではなく仕事だったり、それなのに切実だったり#102「有吉慎太郎」。元カノの部屋に居る男、彼女は毎朝テレビで、あっちの世界に染まり#103「お天気お姉さん」。マンションの一室、ローン組めない男が即金で買って改造した部屋には#104「23区のノアの方舟」。すぐやる課、課長は親族の一大事だが、行こうとする部下を押しとどめて#105「失踪」。

間が開き気味な公演は一年ぶり。年齢が上の女優を迎えてるのも初めての試みか。文法というか役者の文脈のギャップは感じますが、広がりは出来た気がします。

アタシは#103が大好きなのです。ピンクのカーテンの部屋、出演者になった元カノとの会話。イケイケで横暴で可愛いままで…なんてのは枠組みに過ぎません。(いや、ここまでの色っぽさは好きだが)「皆が求めている」という実体の無い旗のもとに勝手に捜査して勝手に犯人を決めて、逃げ道のための警察OBとか引っ張り出すテレビという横暴と、それを批判しながら見てるという視聴者は視聴率という賛成票を投じてることになるという危なさ、怖さ。(やめなきゃ)

#104は、告発 というわけではないのです。むしろそこが滅びつつある生き物たちの最後の一線という視点は新鮮。金の使い道はひとそれぞれなのだけど、こういう価値観が存在することは普通知らない世界なのです。

物語というよりは、今の日本の現実がデフォルメされつつもキチンと描かれているのです。それは必ずしも大笑いしたり大泣きしたりは出来ないのだけど、起こってる現実の「ヤバさ(悪い意味の)」を感じとる力は作家の強みだなあと思うのです。

10x50 kingdomメトロポリスプロジェクトVol.17「それは満開の桜」
2006.9.6 - 9.10 ストアハウス
作・演出 じんのひろあき
出演 坪井一広(#102,#105) 岡本広毅(#103,#104) 吉田潔(#101) 工藤良輔(#101,#104) 土田真理(#105) 市場法子(#103) 中川雅子(#102)

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